チーム名:カリアリ・カルチョ
監督:クラウディオ・ラニエリ
順位:16位
勝点:36
得点:42
失点:68
総合:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
監督:★★★★☆☆☆☆☆☆
戦術:★★★★☆☆☆☆☆☆
組織:★★★★★★☆☆☆☆
戦力:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
攻撃:★★★☆☆☆☆☆☆☆
守備:★★★☆☆☆☆☆☆☆
良かった点:割り切った戦術を使っていたことと、気迫のようなものがあったこと。また、シーズン前半戦は戦術も良くなかったが、後半戦はまだ良かった。
悪かった点:戦力。攻撃戦術、守備戦術。
〇総括
昇格組であり、エラス・ヴェローナよりもさらに脆弱な戦力で、明らかに戦力がセリエAで戦うレベルではなかったが、ラニエリ監督が監督人生最後の有終の美を飾り、粘り強く勝ち点を稼いで残留した。よくこれで残留したという驚きの戦力と、サッカーの内容であったが、本当に気迫だけで残留したようなものである。来シーズンはこのままの戦力ではまずいので、補強を頑張りたいところである。
序盤は、戦力は断トツで最低クラスであり、尚且つラニエリ監督がいつもの拘りの442のライン守備、攻撃はサイド攻撃でクロスを単調に入れる、というとても現代サッカーでは通用しない戦術を使用していたため、最低クラスのチームであった。しかし、その後は拘りの442から352等に変え、戦えてはいた。ただし、弱いことに変わりはなかったし、機能していたかというとそうでもなく、あまり良い戦い方はしていなかった。
守備は良く組織されてはいたが、戦術的に良いものであったかというとそうではなく、ライン守備をベースにしていたり、戦力的に厳しいものがあったり、攻撃が放り込みが多かったので、守備機会が多く、脆さに拍車がかかり、失点は多かった。
攻撃については、割り切ってどんどん前にロングボールを入れる攻撃が多かった。潔さは良かったが、それならそれで選手選考や戦術はもっとやりようがあった。機能しているとはあまり言えるものではなかった。
攻撃についても守備についても良いものとは言えず、戦力も最低クラスで、正直良くこの戦力と戦術で残留できたな、という戦術が全てとも言えるセリエAにおいては珍しいケースである。終了間際でのセットプレーや再現性のない得点等で勝ち点を稼ぎ、本当に気迫だけで残留したようなものであり、モチベーターとしての監督の役割は存分に果たしたと言える。
新シーズンは、ラニエリ監督は監督業を引退したため、エンポリを見事に残留に導いた「残留請負人」のダヴィデ・ニコラ監督が就任。途中就任で残留に導くスペシャリストだが、今回こそはスタートからの指揮で残留に導けるだろうか。
ラドゥノヴィッチ、ドッセーナ、ナンデス、スレマナ、オリスタニオ、ガエターノ、ペターニャ、ショムロドフ等の主力が退団したが、ゾルテア、ルペルト、マリン、アドポ、ピッコリ等が加入。マリンとルペルトの加入は大きく、退団選手も主力ではあったが、許容範囲ではある。そうは言っても主力の退団の頭数は多く、元々の戦力が相当まずいので、今後の補強が重要である。