チーム名:エンポリFC
監督:パオロ・ザネッティ(1節~4節)⇒アウレリオ・アンドレアッツォーリ (5節~20節)⇒ダヴィデ・ニコラ (21節~38節)
順位:17位
勝点:36
得点:29
失点:54
総合:★★★★☆☆☆☆☆☆
監督:★★★★★★★☆☆☆
戦術:★★★★★★★★☆☆
組織:★★★★★★★☆☆☆
戦力:★★★☆☆☆☆☆☆☆
攻撃:★★★★☆☆☆☆☆☆
守備:★★★★★★☆☆☆☆
良かった点:良い選手、使い方によっては大きく輝く選手が多かった。ダヴィデ・ニコラ監督。
悪かった点:総合的な戦力。最初の二人の監督。
〇総括
最終節のアディショナルタイム弾で大逆転の残留を決めた。戦力は悪くなかったが、パオロ・ザネッティ監督、アンドレアッツォーリ監督は全く使いこなせておらず、1月まで最下位付近をさまよっていたが、3人目の「残留請負人」ダヴィデ・ニコラ監督がようやくチームを機能させ、大逆転の残留を果たした。
昨シーズンはパオロ・ザネッティ監督の下、4312で魅力的なサッカーを繰り広げていたが、今シーズンに入り、なぜか4231にして完全に崩壊、その後433も試みたが、古典的な433で守備が完全に崩壊しており、4節で早期にザネッティ監督は解任された。
一番良いのはパオロ・ザネッティ監督の目を覚まさせて4312に戻すことであったが、なぜか4312を捨ててしまっていたので、解任も致し方なかったと言えば致し方なかった。
しかし、後任のアンドレアッツォーリ監督は4312に戻したは良いが、あまり組織作りや戦術面、選手選考で良くなく、下位に沈んだままとなった。
それ以外の選手達の戦力こそ乏しいが、カンビアーギやカンチェッリエリ、ギャシ、バルダンツィ、マリン、ルペルトと、使い方によっては輝く選手が多く在籍していたので、本当に監督次第だったが、全く活かせなく、最下位付近に沈んでいた。バルダンツィや前線の若く活きの良い選手を上手く使えれば、魅惑的なサッカーができただろうが、できなかった。
その後、アンドレアッツォーリ監督は20節終了後に解任され、ダヴィデ・ニコラ監督が就任した。バルダンツィが冬にローマに移籍してしまったが、代わりにニアン(FW)、チェッリ(FW)、ジルコフスキ(中盤)が加入し、足りなかったFW、推進力のある中盤を手に入れることができ、戦力にもメスが入った。
ダヴィデ・ニコラ監督は崩壊している守備、機能していなく得点の気配0の攻撃の状態から、変則352や343を使用することにより、見事に守備も攻撃も復活させた。元より総合的な戦力自体は低いが、戦術によっては断然機能するメンバー(走れる選手、スピードのある選手が多く、絶対的な選手こそいないがポイントポイントで上手い選手がおり、特徴ある選手が揃っており、戦力のバランスが良いので戦術次第で普通にやれる)が揃っていたので、ニコラ監督の下で完全にチームは復活した。
守備については、非常に機能的で素晴らしかった。特に352の時は、完璧な352で、セリエAで最も機能しており、最も美しかった(343がなかったら、マリンその他の選手をもっと上手く使っていたら、戦術も組織も★9か10を付けている)。
攻撃については、カウンターをメインにし、カンビアーギやカンチェッリエリ、ジルコフスキの活きの良いスピード・ドリブルのある3人がダイナミックに攻めていった。特に、攻撃時に343に変形する352の時は流動的で機能的で素晴らしかった。ジョーカーのニアンも個人技があり、監督が選手達を上手く使いこなしていた。惜しむらくは、貴重なレジスタのマリンの使い方があまり良くなかったこと、途中就任ということもあるが、選手選考、戦術のチョイスが良くない時があった、良く変わっていたことである。
戦力を一切度外視し、戦術・組織だけを見るならば、トゥドール監督のラツィオとニコラ監督のエンポリが他の追随を一切許さないくらいにずば抜けていた。
新シーズンは、「奇跡の残留」のニコラ監督はカリアリに行ってしまい、新しくレッチェを率いていたダヴェルサ監督が就任した。ダヴェルサ監督は安定して良かった(ストレフェッツァの0トップの数戦は非常に良かった、やめてからはまずまず)ので、監督選びは良い。
しかし、GKのカプリーレ、ベリシャ、DFのルペルト、ベレジンスキ、S・バストーニ、中盤のマリン、マレフ、ジルコフスキ、FWのカンビアーギ、カンチェッリエリ、ニアン、チェッリ等、スタメン・準スタメンの選手が10人退団するというとんでもないことになっている。ほとんどがレンタルから戻った形で、毎シーズン若手を中心にビッグクラブ等からレンタルしてもらう形で戦うエンポリらしいが、流石に主力10人の退団は痛すぎる。今シーズンもメインはレンタルで戦力を整える形になるのだろうが、今後の補強、ダヴェルサ監督の手腕に注目である。