セリエA第38節 フロジノーネvsウディネーゼ -運命の一戦、二つの涙-

フロジノーネ FW マティアス・ソウレ

 

ウディネーゼ GK マドゥカ・オコイェ

 

2024年5月26日

セリエA第38節(最終節)

フロジノーネvsウディネーゼ

監督:ディ・フランチェスコ Fカンナヴァーロ

 

フロジノーネ

3421

      ケッディラ

  ハルイ        ソウレ

ヴァレリ バレネチェア ブレシャニーニ ゾルテア

    オコリ ロマニョーリ リローラ

      チェロフォリーニ

 

これが最適解では当然ないが、ここ数試合の中ではまだ良いメンバー、配置。

 

しかし、監督がしっかり組織できているかと言えば、ここ数試合を見ている限りだとできていないと思われる。

 

ウディネーゼ

352

   ブレンナー  ルッカ

  パジェロ  サマルジッチ

カマラ      ワラシ    エヒジブエ

  Nペレス ビヨル クリステンセン

      オコイェ

 

メンバーを見る限り良くはないが、こういう試合では(最終節かつ大一番)、順位が下のチームは闘志むき出しで、勝つしかないというモチベーション全開で戦う可能性が高いため、もしそうならフロジノーネは危うい。

 

 

現在の勝ち点は、

 

15位 カリアリ 36

16位 フロジノーネ 35

17位 ウディネーゼ 34

18位 エンポリ 33

19位 サッスオーロ 29

20位 サレルニターナ 16

 

となっており、サレルニターナサッスオーロは降格が決定。

 

カリアリは、最終節でフロジノーネウディネーゼが戦い、どちらかは勝ち点36に届かないため、残留が決定となっている。

 

つまりは、残りの降格の1枠はフロジノーネウディネーゼエンポリのいずれかとなっている。

 

最終節は、フロジノーネウディネーゼが直接対決、エンポリはホームでローマと対戦することになっている。

 

ローマは全くもって良くないし、エンポリホームであり、エンポリは勝つしかないので(引き分けでもウディネーゼが負ければプレーオフだが)、エンポリも断然チャンスがある。

 

最終節まで非常に熱い展開となっており、特にこのフロジノーネウディネーゼの戦いは白熱すること必至である。

 

フロジノーネはホームで強いが、ウディネーゼは食らいつくことができるだろうか。

 

フロジノーネは引き分けでも良く、ウディネーゼは裏のエンポリ対ローマの試合次第で引き分けでも良いか、負けでも大丈夫か、勝たないといけないかが変わる。

 

ここまでの両チームの状況は、フロジノーネは、メンバーもまずまず、MVP級のソウレもいるが、監督が良くない。ディ・フランチェスコ監督は最低限の仕事はするが、決して良くはない監督。

 

戦力を考えれば残留は楽にしなければいけないようなチームだったが、途中からディ・フランチェスコ監督が狂い始め、選手選考や戦術が混沌となり、最終節まで残留争いに巻き込まれている。

 

ウディネーゼは、ソッティル監督、チョッフィ監督が解任となり、3人目の監督でファビオ・カンナヴァーロが就任し、何とか残留を勝ち取ろうとしているところである。

 

フロジノーネウディネーゼエンポリも降格するにはもったいないチームだが、どこか1チームは降格となってしまう。

 

果たして・・・

 

【0~15分】

 

ウディネーゼはハイラインハイプレスで特攻戦術。

 

フロジノーネはミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

普段なら守備のウディネーゼ、攻撃のフロジノーネという構図だが(フロジノーネのホームなので尚更)、(裏の試合次第だが)勝つしかないウディネーゼは闘志全開で捨て身で攻撃に行く。メンタリティーは非常に良い。

 

ウディネーゼは戦術どうこうよりどんどん前に出て、どんどんボールを前線に入れていく。

最終節の残留のかかったチームはこうなりがちだが、ウディネーゼも例に漏れず捨て身で攻撃に行く。普通にやっても勝てないので、気迫で何とか勝ちに行く、良い姿勢である。

 

最終節に限っては(むしろ最終節くらいでしかそんなメンタリティーにはなれないだろうが)、この戦術は良い。

 

昨シーズンもそれでエラス・ヴェローナプレーオフで、気迫で残留を勝ち取っている。

 

フロジノーネはメンタルが強いチームではないので(むしろ弱い。また、監督に対応力がない)、ウディネーゼの気迫に飲まれるとまずい。

 

メンタリティーでは圧倒的にウディネーゼが優位に立っている。

 

フロジノーネはとにかく序盤を凌いで落ち着きたいところである。

 

序盤はウディネーゼが気迫の攻撃でフロジノーネのゴールを脅かしていく。

 

フロジノーネは相当雰囲気に飲まれていそうである。

守備がボロボロになっている。

 

ウディネーゼは攻撃でも守備でも、とてつもない気迫で前に前に向かっていく。

ウディネーゼは身体能力が高い選手が多いので、このような戦術は得意である。

 

ただし、そのような戦術のため、一度前にボールを運ばれたら守備は相当薄く、フロジノーネは3トップが強力で推進力があるため、フロジノーネは気迫にやられる前に薄い守備を突いて先制点がほしいところである。

 

【15~30分】

 

変わらずウディネーゼが特攻で攻め込む展開。

 

フロジノーネはカウンター気味(ポゼッションでも勝手にカウンター気味になる)に攻め込んでいくが、ウディネーゼの気迫のプレスの前にパスミスが非常に目立つ。

 

良い形でソウレにボールが渡ればソウレが一人で何とかしてくれるが・・・

 

ソウレの個人技からゾルテアのミドルはオコイェがファインセーブ。

 

ソウレは一人だけレベルが違う。

昨シーズンからビッグクラブのエース級だったので当然なのだが・・・

 

コーナーからのヘッドもオコイェがビッグセーブ。

 

試合が段々と落ち着いてきて、フロジノーネも押し返していくようになる。

 

ウディネーゼは押し込まれると、前線がルッカ(高い選手)なので、厳しい。

 

フロジノーネはあまりソウレに頼った戦術を取っていないのだが、もっとソウレ依存でも良い。というよりは、そうしなければいけない。ソウレにボールを集めれば勝手に何とかしてくれる。

 

しっかりそうする監督なら今頃この順位にはいないわけだが・・・

 

【30~45分】

 

フロジノーネは守備も良くないし、攻撃もビルドアップが悲惨。

 

メンバーは良いだけに本当にもったいない。ソウレがいてこの体たらくは本当にもったいない。

 

守備は組織が全くなっていない。

343なのにプレスに行くのか、引くのか中途半端すぎて、中盤にスペースが空きすぎている。

 

足元のないウディネーゼだからまだ助かっているが・・・

 

ある程度無難な形で選手を並べるし、下の方で安定はしているが、戦術や組織が良くないディ・フランチェスコ監督らしい。

 

ソウレのFKはバー。

 

ソウレが異次元すぎてフロジノーネのチャンスが多くなってくる。ソウレもユルディズも現時点で十分に傑出している。アッレグリ監督がついに解任されたので、どうなるか楽しみではある。

 

前半終了0-0

 

両チーム、非常にオープン(ウディネーゼは能動的に、フロジノーネは当然狙っていない。守備が悪いだけ。)だったが、結果はスコアレス。

 

フロジノーネはソウレにボールを集めたい。ビルドアップでもゴール付近でも。(おそらく)選手への指示が無さすぎて、ソウレにパスした方が良い場面でもパスが出てこない。

 

あとは、守備はプレスか引くかはっきりしないとまずいが、どうせ改善はしない。

 

ウディネーゼは特攻を続けるしかないが、序盤のようには体力的に厳しいが、いつスクランブルを仕掛けるか、といったところか。

 

裏のエンポリ対ローマは前半終了時点で1-1であり、ウディネーゼはこのまま引き分けでも残留だが、エンポリが勝ち越したら降格となるので、勝つしかないメンタルの方が良い。

 

【45~60分】

 

ウディネーゼ

ブレンナー→デイヴィス

FWを変える。ブレンナーは良くなかったので妥当。

 

前半よりもさらに試合が落ち着いて、フロジノーネがボールを握っていく展開。

こうなるとウディネーゼは厳しい。

 

ウディネーゼ

エヒジブエ→Jフェレイラ

怪我。

 

ゾルテアのシュートはまたもオコイェがビッグセーブ。

 

【60~75分】

 

ウディネーゼがだいぶトーンダウンしてくる。

 

守備も引き目に守るようになる。

裏の試合が引き分けだからからか?。

 

【75~90分】

 

76分、割と何でもない攻撃から、放り込みをルッカが落とし、デイヴィスが決める。0-1

 

これはフロジノーネは痛い。

 

ウディネーゼは完全に引いて守るように。

 

このままではエンポリ次第だが、降格の可能性も出てきたフロジノーネが攻め込む。

 

フロジノーネ

リローラ→チュニ

ハルイ→レイニール

ソウレ→ゲジェミス

433に変更か。ソウレは怪我だと思われる。

 

ウディネーゼ

カマラ→ゼムラ

 

フロジノーネ

ブレシャニーニ→ジェッリ

 

フロジノーネはソウレがいなくなり、攻め手がない。

 

ウディネーゼは時間を稼ぐ。

 

フロジノーネ

ゾルテア→モンテリージ

最後のパワープレー要因。

 

ウディネーゼ

デイヴィス→カバセレ

守備固め。

 

ソウレもいなくなり、攻め手がないフロジノーネはほぼ何もできない。

 

 

試合終了

フロジノーネ0-1ウディネーゼ

 

 

最後の最後でウディネーゼが残留を勝ち取り、大逆転での残留に、涙溢れる歓喜の輪が広がる。

 

一方、一番有利な状況だったフロジノーネだが、エンポリが最後の最後に大逆転の勝ち越しゴールを決めたため、エンポリが残留となり、フロジノーネが降格となってしまった。こちらは対照的に失意の涙が溢れることとなってしまった・・・

 

フロジノーネは多くチャンスを作っていただけに、もったいない。

 

決めきれなかったこと、オコイェがチームを救うセーブを何度か見せていたこと、もったいない失点をしてしまったことが悔やまれる。

 

フロジノーネの得意のホームだった。状況もフロジノーネが圧倒的に有利だった。やっているサッカーも、複数回戦えば勝つのはフロジノーネだろう。しかし、勝ったのはウディネーゼ

 

まさに気迫で勝ち取った勝利、残留である。

 

序盤から好調で順調に勝ち点を積み上げていたフロジノーネ、序盤から不振に喘ぎ、2回も監督交代のあったウディネーゼエンポリだが、最後はウディネーゼエンポリが怒涛の追い上げで残留する形となった。

 

ソウレがレンタルバックになるので、歴史や戦力、基盤等を考えると、フロジノーネが降格がセリエA的には丸いのかもしれないが、この戦力で降格は監督の責任としか言いようがない。

 

しかし、序盤から中位付近におり、中々のサッカーをしており、戦力もあったフロジノーネの降格はもったいない。

中盤、終盤の監督の迷走が悔やまれるところである。

 

稀にみる、最後まで多くのクラブが残留争いをするデッドヒートの非常に熱い展開だったが、最後はエンポリウディネーゼが逆転で残留を勝ち取る形となった。

 

値千金のゴールで喜ぶデイヴィスとウディネメンバー

 

歓喜の輪に包まれるウディネメンバー

 

泣き崩れるディ・フランチェスコ監督と、それを見て抱擁するファビオ・カンナヴァーロ監督

 

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