セリエA第34節 ACミランvsラツィオ -戦術による圧倒-

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2023年5月6日

セリエA第34節

ACミランvsラツィオ -戦術による圧倒-

監督:ピオリ サッリ

 

ミラン

4231

      ジルー

レオン    ベナセル   メシアス

    クルニッチ トナーリ

Tエルナンデス トモリ ケアー カラブリア

      メニャン

 

ディアスはベンチだが、ターンオーバーはせずに本気のメンバー。前節クレモネーゼ戦は大幅にターンオーバーして休ませたため、この試合は勝たなければいけない。

 

ラツィオ

433

    インモービレ

ザッカーニ     Fアンデルソン

  Lアルベルト ミリンコヴィッチ

    Mアントニオ

ヒサイ ロマニョーリ カザーレ マルシッチ

    プロヴェデル

 

カタルディが招集外。それ以外はいつものメンバー。

カタルディは地味だが、非常に安定したアンカーの選手で、ゲームメイクも上手く、非常に良い選手。カタルディがいないのは中々厳しい。

カタルディの代役ができる(こともある)ベシーノすらベンチ外のため、Mアントニオがスタメン。だいぶ痛い。

 

前回の1月の対戦では、ミランが4-0でボコボコにされたが、その時とは全く戦術が違う、ベナセルをトップ下とした新戦術を取っているため、全く違う試合になるだろう。

ボールを持ってくれるラツィオナポリに近いため、ミラン側の相性は良い。

 

ミランが中盤をしっかり閉めて、ラツィオの生命線のミリンコヴィッチとLアルベルトをしっかりマークし、ショートカウンターやカウンターを多く発動できれば、ミランの方が断然有利。

 

【0~15分】

 

ミランはミドルブロック&プレスで、ポゼッションだが、ショートカウンターとカウンターができるなら積極的に狙っていく。

(トナーリをわざわざ右で使い)、433気味にして、Mアントニオにはベナセル、ミリンコヴィッチにはクルニッチ、Lアルベルトにはトナーリを徹底マンマークでつけ、自由にさせない。良い守備。

まさかの、相手中盤3枚に対して、自軍の中盤3枚で徹底マンマークという珍しい戦術。しかし、良い。

 

ラツィオはハイラインハイプレスで、ポゼッション。

このベナセルトップ下の戦術相手にスペースを空けて戦うのはまずすぎる。何も対策していない。

 

ミランがしっかりラツィオ対策をできているので、ミラン有利。

ラツィオはいつも通り、いつものことをやる戦術を取ってきたので、それではミランに勝てない。戦術対決は先ずはミラン勝利。

 

ナポリラツィオもポゼッション×ポゼッションでひたすら押し込むチームのため、勝ち点は多いが、守備対策さえしっかり行えれば別にそこまで強くないチーム。真に強いのは戦術がしっかりしている時のインテルミラン

 

ミランがカウンター、ショートカウンターで次々チャンスを作っていく。

サッリはナポリ戦は見ていないのかな?

カウンターでミラン、レオンにスペースを与えると、ズタズタにされる。

 

ラツィオはカタルディがいないのもだいぶ痛い。

アンカーという最重要ポジションとも言える位置の選手のタイプが違う、能力がだいぶ劣るというのは、ポゼッション重視で、中盤で細かく繋ぐラツィオにとっては相当痛い。

 

カタルディは、頻繁にボールを受け、無駄なことは一切せず、ぽんぽんボールを叩く、良いリズムを作れる、ゲームメイクができる良い選手。ラツィオのポゼッションはそのカタルディ、Lアルベルト、ミリンコヴィッチのトライアングルを中核として崩していくので、そこの一角がいないのは相当厳しい。

ベシーノが代役ができる(こともある)が、そのベシーノすらいないのだから、辛い。

Mアントニオでは全く代役が務まっておらず、中盤のリズムが悪すぎる。

 

レオン→サーレマーカース

怪我。これは相当痛い。

サーレマーカースがそのまま左サイドに入る。

 

レオンがいれば間違いなくミランの勝利、というところだったが、これで多少分からなくなった。

 

ラツィオがボールを持つ展開だが、前述のように、ミランラツィオ対策の良い守備をしていること、ラツィオがいつもの中盤ではないことにより、ミランがどんどん中盤で奪ってショートカウンターをしていく。

 

ミランは攻撃時もほぼほぼ433に近い。スタート位置が4231なので4231としているが、ほぼほぼ433。

散々言われてきた433が一番良いんじゃないの?をやっとやったというような形になっている。

 

基本は4231だが、守備時に433気味になり、攻撃時もトナーリは前に行き、クルニッチは後ろに残る形だから自然と433のようになっているとも言えるし、はっきり攻撃時は433に変形しろ、と言われているかもしれない。どちらかというと後者の「攻撃時はハッキリ433に変形」だと思われる。

【15~30分】

 

レオンが交代しても、ミラン優勢は変わらず。ラツィオは守備のスペースがありすぎるし、ショートカウンターを受けすぎである。

 

生命線であるはずのポゼッションがまるで機能していないので、いったん、Fアンデルソンとザッカーニを中に入れさせたり、下げさせてゲームメイクに絡ませる、中盤3枚をDFラインまで下げたり、サイドに開いて相手のマークをずらす等流動的に動く、もしくは、思いっきり前線3枚を裏抜けさせて、どんどん裏にボールを入れる、等、まずは攻撃のやり方やリズムを変えたほうが良い。

このままではまずすぎる。

特に、中盤3枚の動きが少なすぎるので、もっと流動的に動かないと、中盤が完全に機能停止している。

 

17分、ラツィオゴールキックからの繋ぎをベナセルが奪い、ジルーの落としをベナセルがそのまま決める。1-0

Mアントニオが奪われたが、本当に穴になってしまっている。

 

ミランは相手の3センターに自分たちの中盤3枚をマンマークにつけるという特殊な守備をしているが、それならラツィオは、中盤3枚を下げさせたり開かせて、できたスペースに前線3枚が入ってパスを入れて、等の流動的な攻撃を仕掛けて、といったことが考えられるが、ラツィオナポリと同様に、いつもやっていることをいつも通りやる、と言ったチームなので、柔軟に対応できていない。

カタルディがいればもっと柔軟に対応もできるだろうが・・・

 

ラツィオは、サイドバックを上げずに、4バックを後ろで形成し、そこに3センターも加わってじっくり繋いで、両WGはサイドに張って幅を取り、機を見て縦パスのスイッチを入れて、という「スイッチが入るまでは」あまり定位置から動かない、かなりのポゼッション志向のチーム。

その流動性の無さが足枷になってしまっている。縦パスのスイッチが入ってから、もしくは中盤が良い形で前を向いてからは流動的に動くが、今日はその縦パスのスイッチを入れる3センターが完全にマンマークで封じられているため、全くチームとして動けていない。また、中盤3枚もいつもはもっと動くが、今日はいつもよりことさら動けていない。

 

中盤が全く動けていないから全く繋げなく、繋げないからリズムが悪すぎて中盤が動けていない。最悪の悪循環。

 

ナポリもそうだが、中盤3枚を抑えられると、修正するまで完全に機能停止になる。

 

これはちょっと酷い。

中盤の動きを変えることもそうだが、インモービレ→ペドロに交代してFアンデルソンを真ん中にして、流動的になるようにしたほうが良い。サッリはこんなに早い時間帯での交代はしないだろうが。

これは修正しないとどうにもならない。

 

ラツィオの柔軟性の無さもどうかと思うが、中盤3枚全員をマンマークにつけるという思い切った守備戦術を取っているピオリも中々のもの。

それくらいしないとラツィオの強力な3センター(今日はカタルディがいないが)は抑えられないし、そこさえ抑えてしまえばラツィオは全く怖くないということも良く分かっている。

 

28分、メニャンのパスからTエルナンデスがカウンターを開始し、自陣ペナルティエリア内からドリブルで中央を破り、そのままミドルでゴール。2-0

自陣エリア内からのドリブルゴールは流石に凄すぎる。それまでにマークは一人しか来ていないが。

 

ラツィオが全く機能していなく、修正もできていない中、2点を奪えたのは相当大きい。

 

【30~45分】

 

変わらずミランペース。ラツィオは一切ポゼッションが機能していなく、危ない位置でのボールロストが頻発している。

 

ミランの守備戦術、ラツィオ対策も非常に素晴らしい。

攻撃面も、散々433が一番良いのでは?と言われてきたが、やはり433(気味)は良い。

結局のところベナセルをトップ下とした新戦術がなぜ強いかというと、ベナセルが攻守においてCH気味になる、433に近い形となるから強いのである。

 

また、今のミランはスペースさえあれば非常に強く、先制点さえ取れれば、もしくは相手がボールを持ってくれるチームなら非常に強い。

 

前半終了。2-0

 

レオンが交代したときはどうなることかと思ったが、前半は完全にミランが圧勝。

ラツィオはこの1年で一番酷いと言っても良いくらい酷い。

 

気の利く、中盤を上手く回すのに長けたカタルディがいないのは相当痛いが、それでもやれなさすぎである。

Lアルベルトとミリンコヴィッチもハードなマンマークでボールに触らせてすらもらえないという状況ではあるが、もっと流動的に、柔軟に動かなければいけない。

 

ラツィオは修正はするのだろうが、ミラン相手に2点差がついてしまっては相当厳しい。

 

ミランは特に変える必要はない。非常に上手くいっている。

特殊な守備戦術でラツィオを封じているため、ラツィオが後半で修正したときに上手く対応できるかが鍵か。

 

【45~60分】

 

カラブリア→カルル

ケアー→ティアウ

CLに向けての休ませか?はたまた3バックに変えて逃げ切りを図るか。

352に変えるなら、中盤3枚のマンマークは継続で、それをずらされても352なら他で補える、中盤のスペースは十分消せるし、守備は単純に固くなるし、非常に良い采配だが、果たして。

 

ミランは4231で単純に選手を交代しただけ。残念。このままでも全然構わないが。

ただ、それなら休ませるのはカラブリアやケアーではなくて、もう少ししてからトナーリやベナセル、クルニッチ、エルナンデス、ジルーだと思うが・・・

 

ラツィオは何も変えず。噓でしょ・・・

 

試合展開は変わらず、ラツィオが何も変えていないため、完全にミランが圧倒。

ラツィオは全くボールが繋げない。中盤でボールロストをひたすら繰り返す。

 

ミランラツィオ対策も完璧なのだが、いくらなんでもあの前半の惨状を見て、何も変えないのはあまりにも酷すぎる。

 

マルシッチ→ラッツァーリ

ザッカーニ→ペドロ

 

ザッカーニに変えてペドロは多少良くはなるだろうが、あまり変わらないのでは・・・

インモービレに変えた方が良い。

 

【60~75分】

 

ミリンコヴィッチ→バシッチ

ヒサイ→ペッレグリーニ

 

ジルー→レビッチ

 

変わらずラツィオは何もできず。全くもって繋げない。ミランの守備が非常に良いことも事実。

 

【75~90分】

 

バロトゥーレ→Tエルナンデス

次々主力を休ませていく。

 

インモービレ→カンチェリエーリ

 

メンバーが変わって、特にインモービレが変わったのは大きく、ラツィオが流動的になり始めて、良いいつもの攻撃になり始める。遅すぎる。開始15分で明確に分かり切っている。

(開始15分で選手交代、しかもエースを交代というのは中々できないだろうが)

 

試合終了。2-0

 

ミランが完全に圧倒。ラツィオは何もできなかったといって等しい。

 

ピオリ 8.0 完璧なラツィオ対策で圧倒して見せた。攻撃時の433も非常に良かった。

ジルー 7.0 良いポストプレーをしていた。433なら周りに人が多いし、自由に動きやすいので、ジルーもやりやすかっただろう。

レオン -

ベナセル 7.5 攻撃も守備も非常に良かった

メシアス 6.0 可もなく不可もなく

クルニッチ 7.5 攻撃も守備も非常に良かった

トナーリ 7.0 攻撃も守備も非常に良かった

Tエルナンデス 7.5 レオンがいなくなったが、左サイドの攻撃を牽引

トモリ 7.0 非常に安定していた

ケアー 7.0 非常に安定していた

カラブリア 7.0 非常に安定していた

メニャン 6.0 仕事は全くなかった

 

サッリ 3.5 カタルディとベシーノのアンカー二人を欠いていたのは同情するが、流石にノープランすぎたし、修正も全くできなかった

インモービレ 5.0 中盤に積極的に絡んでという選手ではないので、中盤が完全に機能停止していたら何もできないが、助けられもしなかった。悪いのは監督だが。

ザッカーニ 5.0 元からサイドに張ってドリブルしかほぼしない選手だが、今日の試合展開でそれだと、自分も全く活きないし、チームも終わる。悪いのは監督だが。

Fアンデルソン 5.5 3トップの中ではまだ中盤に絡んでいた方だが、全く良い形でボールを貰えないから何もできず

Lアルベルト 4.0 ずっとマンマークがついていたのはかわいそうだが、流石に動かなすぎた

ミリンコヴィッチ 4.5 ずっとマンマークがついていたのはかわいそうだが、柔軟に対応できなかった

Mアントニオ 4.0 ずっとマンマークがついていたのはかわいそうだが、ゲームメイクは全くできなかった

ヒサイ 5.5 いつものサッカーではなく柔軟に対応する必要があったが、できなかった。悪いのは監督だが。

ロマニョーリ 5.5 あれだけショートカウンターを浴びせられて守れという方が無理

カザーレ 5.5 あれだけショートカウンターを浴びせられて守れという方が無理

マルシッチ 5.5いつものサッカーではなく柔軟に対応する必要があったが、できなかった。悪いのは監督だが。

プロヴェデル 5.5 あれだけショートカウンターを浴びせられて守れという方が無理

 

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