セリエA第35節 スペツィアvsACミラン -史上最高の戦術を使用すれば降格圏のチームでもビッグクラブに勝てるのか?=勝てる-

スペツィア FW ムバラ・エンゾラ

2023年5月13日

セリエA第35節

スペツィアvsACミラン

監督:センプリチ ピオリ

 

スペツィア

532

   ギャシ     エンゾラ

   エクダル    ブラビア

      エスポージト

レツァ ニコラオウ アンパドゥ ヴィシニェフスキ アミアン

      ドロンゴフスキ

 

ミラン

4231

     レビッチ

オリギ   ディアス サーレマーカース

   ポベガ トナーリ

Tエルナンデス トモリ ケアー カルル

      メニャン

 

カラブリア、クルニッチ、ベナセル、レオン、ジルーが不在(怪我やターンオーバー)。

レビッチではなくデケテラーレ、オリギではなくアドリ(メシアスもいないため。アドリをトップ下でディアスを右でサーレマーカースを左)のほうが断然良いと思うが・・・

レビッチとオリギは出場するレベルにないこと、機能しないことをいい加減分かってほしい。

 

ベナセルが怪我で離脱し、ディアスのトップ下が機能しないこと、オリギとレビッチが全く仕事ができないことは既に分かり切っているのだから、433や、せめて最低でもアドリをトップ下(ディアスを右サイド)の4231にしてほしいものだが・・・

ベナセルがいない以上は、433以外は選択肢にないと言っても過言ではない(一番は352を機能させることだが)。

 

【0~15分】

 

ミランはハイラインハイプレスでポゼッション。

 

スペツィアはミドルブロック&プレスでポゼッション。

せっかく352で、2トップもエンゾラとギャシでカウンターに向いており、相手もミランなのでカウンターで良いと思うのだが・・・

 

ミランがボールを持つ展開。

 

トナーリのミドルはポスト。

 

スペツィアはポゼッションが上手いわけではないので、上手く繋げない。

ミランがハイラインハイプレスで来ており、ポゼッションではなくカウンターで戦えば良い勝負ができると思うが・・・

 

スペツィアは352という表記にはなっているが、実際は532になってしまっており、良くない。

352は中盤を完全に締める守備だから強いのだが、532になってしまっては、その良さは出ない。

これではただの5バックで、中盤にスペースがあるため、352の良さは出ない。

 

【15~30分】

 

スペツィアは攻守両面で良くないため、普通にミランが押す。

スペツィアは、しっかり352の守備ができて、カウンターなら強いだろうが、これでは良くない。

良くないから降格圏に沈んでいるわけだが・・・

 

ミランもだいぶ良くないメンバーで、ベナセルがトップ下でもないので、あまり良くないはずなのだが、普通にボールが運べるし、崩せている。

スペツィアの守備が酷いからである。

中盤にスペースがありすぎる。

 

ラインが低いし、中盤のプレスが機能していないし、WBが最終ラインに加わっているからである。

352ではなく、ただの532の5バックになってしまうと、こうなる。

 

最悪5バックで引いて守るにしても、中盤の3センターはもっとプレスをかけるべきだし、ラインももっと上げるべきだし、攻撃もカウンター気味にしないといけない。

特に攻撃は、全く繋げないのにポゼッションをする意味が分からない。

 

拙いポゼッションのせいで2トップのフィジカルやスピード、個人技を全く活かせていないし、ボールはシンプルに失いすぎるし、一番くらってはいけないミランのカウンターでチャンスを作られる。

 

352は、格上相手には、DFラインには自由に持たせるが、中盤を全く自由にさせないプレッシングで相手の中盤を封殺し、ショートカウンター、カウンターで得点を奪う形が基本。ポゼッションも混ぜながら、ポゼッションの時は物量でなだれ込むように人数をかけて攻める。カウンターにしろポゼッションにしろ、早めに2トップに入れて、そのままカウンターか中盤が飛び出して攻めるのが基本。

 

格下相手には、ハイラインハイプレスもしくはミドルブロック&プレスで中盤を完全に機能停止にし、カウンター、ショートカウンターや早い攻撃も混ぜながら、352という前線に枚数をかけられる点を活かして、ポゼッションで物量で押し込むのが基本。

 

同格相手には、ミドルブロック&プレスで中盤を封殺し、カウンター、ショートカウンターができる時はして、できない時はポゼッションで物量で押し込むのが基本。

 

この試合においては、スペツィアが取るべき戦術は、ミランのDFライン4枚には自由に持たせるが、中盤(トナーリ、ポベガ、ディアス)を全く自由にさせないプレッシングで相手の中盤を封殺し、ショートカウンター、カウンターで得点を奪う形を狙ったほうが良い。

ショートカウンター、カウンターで時間をかけさせられたら、後ろから中盤が飛び出して攻めれば良い。要は早い攻撃。

 

特にミランは、カウンターに弱いし、準カウンターの早い人数をかけた攻撃は、中盤の戻りが遅く、プレッシングとブロックの使い分けが中途半端な(DFライン、中盤、前線の意思疎通ができていない)時が多いので、その二つにかなり弱い。

 

【30~45分】

 

試合展開は変わらず、スペツィアは拙いポゼッションを繰り返す。

ミランは、スペツィアが人数が足りているにも関わらず即ずるずる下がる背走守備をするため、良い形でボールを運べるが、個人能力が足りない。オリギとレビッチのところにもう少し個人能力が高い選手がいれば、全然違う攻撃になる。

 

レビッチではなくデケテラーレ、オリギではなくアドリ(メシアスもいないため。アドリをトップ下でディアスを右でサーレマーカースを左)で良いと思うが・・・

 

前半終了。0-0

 

スペツィアも相当酷いが、ミランも良くない。

ミランは、形は(スペツィアが酷いため)悪くはないが、メンバーが悪い。

 

スペツィアは、守備は改善点がありすぎるし、おそらく改善できないから、守備はあきらめて最低でも攻撃はポゼッションはやめるべき。

 

ミランは、早くレビッチとオリギを代えるべき。

 

【45~60分】

 

スペツィアはポゼッションではなく早い攻撃をするようになる。

また、ラインも上げて、352になるようにし、中盤も上げて、ミランの中盤を自由にさせない、しっかりとした352にする。

良い修正、というか完璧な修正。できるなら最初からやってほしいものだが・・・

 

これをやられるとミランは相当苦しい。

メンバーがメンバーなだけにポゼッション、ボール運びが上手くいかないし、守備でも、カウンター、ショートカウンターをメインにされると、ミランは(格上相手でもないと)前線があまり戻らないため、攻守を分断された間延びした最悪の守備になる。

 

ミランはカウンター、ショートカウンターに弱い上に、最初からポゼッションをしてくれるならプレスで嵌めるが、最初にカウンター、ショートカウンターで前線に早くボールを入れて、そこからポゼッションをされると、人数の足りないブロック守備という最悪なものになるため、とことん脆い。

 

完璧な修正。

ミランが負けると断言しても良いくらい。

 

スペツィアがどんどんチャンスを作っていく。

ボコボコと言っても過言ではない。

まともに352をやれば、降格圏のチームでも、ミランくらいの格上相手でもボコボコにできる。(個人能力の差が凄いため、ボコボコにしても勝てるとは限らないが)

 

それくらい352という戦術は、戦術の歴史上においても傑出している。352を使わないこと自体が監督として罪、というくらいには明らかに飛び抜けて強い。

 

前半は酷い守備に、全く希望がない攻撃だったため、全く別のチーム。

これぞ352。

やれるならなぜ普段からやっていない、この試合の最初からやっていないのかという話だが・・・

 

【60~75分】

 

ブラビア→ズルコフスキ

 

エルナンデス→バロトゥーレ

サーレマーカース→デケテラーレ

どうやらピオリは勝つ気はないらしい。負けに行っている。

 

ショートカウンターからのエンゾラの決定機はメニャンがセーブ。

降格圏のチームにこれだけボコボコにされてピオリは恥ずかしくないのか・・・

 

完全にスペツィアペース。ミランの失点も時間の問題だし、攻撃も全く機能していない。

 

スペツィアはこの352をずっと続けていれば降格圏に沈むこともなかっただろうに勿体ない。(いつもは433)

 

ミランは個人能力の差で何とか攻めることはできているが、だいぶ苦しい。

中盤が完全に機能停止にさせられている。

 

352相手に普通の4231ではこうなってしまう。戦術自体の力の差が歴然。

352に対抗できるのはビッグクラブ、メガクラブの(個人能力を前面に出した)433か、その他のフォーメーションでも特殊な戦術の場合くらい。

 

352は、当時流行っていた4312及び4231を破壊するために生み出された戦術であり、4312及び4231の中核であるトップ下(及びボランチインサイドハーフ)を完全に潰し、中盤中央を完全に封鎖する戦術。

4231も4312もトップ下が仕事をできないと、単調なサイドアタックを繰り返すだけになってしまう。

 

352という歴史上最高で最強の戦術を使用すれば、降格圏のチームでも上位のビッグクラブに勝てる、上位に行けるというのは、グイドリンの352ウディネーゼが証明している。

 

ディアス→アドリ

レビッチ→ジルー

 

74分、CKからヴィシネフスキが決める。1-0

まぁこうなるのは当然。それくらいボコボコにされている。

 

【75~90分】

 

ミランはほぼほぼパワープレー。

全く崩せていないので可能性は感じない。

また、カウンターが怖い。

 

トモリ→カラブリア

 

84分、カウンターからエンゾラが絶好の位置でファールを貰い、エスポージトが直接叩き込む。2-0

良い位置すぎるし、メニャンがファーに寄りすぎていたため、入る雰囲気が凄かったが、見事に決めてきた。

 

ギャシ→コヴァレンコ

 

特に動き無く試合終了。2-0

 

スペツィアがハーフタイムで完璧な修正をした時点で、必然の負け。

 

ピオリ 4.0 完全に戦術負け。また、オリギ、レビッチは駄目だといつになったら気付いてくれるのだろうか

レビッチ 4.5 実力不足

オリギ 4.5 実力不足

ディアス 5.5 特にスペツィアが352になってからは沈黙

サーレマーカース 6.0 良かった方

ポベガ 5.5 特段の良いプレーはできず

トナーリ 6.5 頑張っていた

Tエルナンデス 6.5 攻撃面で貢献

トモリ 5.5 悪くはなかった

ケアー 5.5 カウンターには脆い

カルル 5.5 特に印象は残せず

メニャン 5.5 良いセーブはしていた

 

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