セリエA第1節 レッチェvsラツィオ -伝統の433、美しいサッカー-

レッチェ FW ポントゥス・アルムクヴィスト

 

2023年8月20日

セリエA第1節

レッチェvsラツィオ

監督:ダヴェルサ サッリ

 

レッチェ

433

     ストレフェッツァ

バンダ          アルムクヴィスト

   Jゴンサレス  ラフィア

      ラマダニ

ドルグ バスキロット ポングラチッチ ジェンドレイ

      ファルコーネ

 

コッパ・イタリアからガッロ(怪我)→ドルグくらいで、あとは同じメンバー。

コッパ・イタリアでは非常に良いサッカーをしており、残留には青信号で良さそうなチームに仕上がっていたが、ラツィオ相手にどこまで通用するか見ものである。

 

ラツィオ

433

     インモービレ

ザッカーニ       Fアンデルソン

  Lアルベルト   カマダ

     カタルディ

マルシッチ ロマニョーリ パトリック ラッツァーリ

     プロヴェデル

 

昨シーズンからほぼ変わらないメンバー。やることも変わらないだろう。

 

退団は、ミリンコヴィッチサヴィッチ、ロメロ、カンチェリエーリ(レンタル)。

ミリンコヴィッチは非常に良い選手だったが、鎌田というほぼ同等の選手を獲得できたので、問題ないだろう。非常に良い補強である。ロメロとカンチェリエーリは有望な若手であったが、出場機会はほぼなかったので、特に痛くない。

 

サッリは安定していた代わりに、スタメンを全く入れ替えず、途中出場もあまりさせなかったので、控えの選手に出場機会がほとんどなかった。カンチェリエーリは才能があるので、レンタル先のエンポリで花開いてほしいが。

 

加入は、Uイタリア代表のCHのロヴェッラ、日本代表のCHの鎌田、デンマークU代表の右WGイサクセン、FWのカステジャノス等。

 

要は、ほぼ変わっていない。

監督のサッリも変わっていなく、非常に安定している監督なので、昨シーズンとほぼ同等、もしくは鎌田が入った分、昨シーズンより良い可能性はある。

 

ただし、昨シーズンは2位だったが、インテルミランユヴェントス、ローマ、アタランタがリーグ戦で本来の実力に見合わなく、相当やらかしていたので、今シーズンは昨シーズン以上の順位になれるかというと、厳しそうである。

 

ポテンシャルで言えば、流石にインテルミランユヴェントスには勝てない。ナポリとは完全に下位互換と言っても差し支えない。ただし、監督がサッリのため安定している、といった形。

 

課題はインモービレの衰えたCFの部分、代えの利かないカタルディとLアルベルトがいない時にクオリティを保てるか、CLとの二足の草鞋を耐えられるか、といったところか。

 

インモービレは、昨シーズンは怪我があったので、昨シーズンより活躍を見せたいところである。

 

【0~15分】

 

ラツィオはミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

レッチェもミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

お互いに丁寧に組み立てるポゼッション重視。

レッチェは非常に機能している。素晴らしく良いサッカーをしている。

 

ラツィオは、昨シーズンと全く同じ戦術。DFラインと中盤3センターでボールを回し、機を見て前線に入れて、中盤が飛び出していく。

ミリンコヴィッチと鎌田は同等か鎌田の方がラツィオの戦術に合うので、おそらくだが、鎌田の方が良い。

 

ミリンコヴィッチはフィジカルとテクニックがあり、組み立てでも力を発揮し、前線に飛び出してフィジカル・高さとテクニックを活かしてゴールに絡むプレーをしていた。

 

鎌田はよりテクニカルで動きとポジショニングが抜群で、アジリティもスピードもドリブル技術も行動範囲の広さ(運動量)も鎌田の方が上なので、組み立て及びラツィオの細かい中央での崩しで鎌田の方が貢献できるだろうから、フィジカルこそミリンコヴィッチの方が上だが、鎌田の方がラツィオの戦術には合うだろう。(ミリンコヴィッチの圧倒的な高さとフィジカルによる、クロスからのヘディングやロングボールを落としてのポストプレーの飛び道具はなくなるが)

 

レッチェも同じポゼッション重視の戦術だが、レッチェは前線3人のキープ力、ドリブル力を活かしながら押し上げて攻める形。中盤も上手いし、SBも良く上がってサポートする。

 

レッチェは、やはり良い。昨シーズンより強いと思われる。

ストレフェッツァをCFで使っている時点で昨シーズンより良いのだが、アンカーのラマダニ、インサイドハーフのラフィラ、右WGのアルムクヴィストの補強も非常に大きい。左WGのバンダの成長も大きい。

 

心配なのはCBのウンティティが抜けたことくらい。

 

ラツィオは、カタルディ、Lアルベルト、鎌田の3センターは強力。

 

ラツィオは3トップが微妙、特にCFが、というところが欠点ではあるが・・・

 

これでCFにエンゾラレベルがいるなら、本当に手が付けられないくらいに強い。エンゾラはフィオレンティーナが獲得したが、エンゾラレベルの選手が1200万ユーロというのは信じられないし、他のチームはみすみす1200万ユーロでフィオレンティーナに取られたのは、本当に信じられない。

 

エンゾラはフィオレンティーナで3000~5000万ユーロくらいに跳ね上がってもおかしくないくらいに圧倒的な実力を持っている。

 

ミランラツィオ、ローマでも間違いなくレギュラーになる実力で、インテルユヴェントスでもほぼレギュラーになれるくらいの実力はある。

 

インモービレも良い選手だが、ラツィオの戦術だと、ワントップには楔を受けられる、キープできる、最後に個人技で決められる選手がほしい。

 

また、カウンター時に独力で突破やキープできてほしい。インモービレは動き出しとシュートの上手さで得点を奪うストライカーなので、あまり合っていない。

 

エンゾラは、強力なフィジカル、テクニック、スピード、ドリブルでワントップをやらせたら抜群の力を発揮するので、非常にラツィオに合っている(というよりは全てが揃っている選手なのでどのチームでもやれる)。

 

アルムクヴィスト→ラフィラ→ストレフェッツァのシュートは惜しくも外れる。

 

試合はほぼ互角か、レッチェが押している。

レッチェは本当に良い。ただ、これはレッチェの方が疲れるサッカーをしている。

 

また、ラツィオナポリと同じでひたすらポゼッションをして、じっくり崩し方を探っていく、修正していく、押し込んでいく、相手を疲れさせる、ずっと攻撃して相手の綻びたところを一瞬で刺すチームなので、序盤の勢いはレッチェだが、ラツィオはこれからが本領だろう。

 

【15~30分】

 

ラツィオは左WGのザッカーニのドリブルも一つの大きな武器だが、あまり調子は上がっていなさそうであるし、対面がジェンドレイなので、中々厳しい。

 

26分、一瞬の隙をついてLアルベルトのパスからインモービレが決める。0-1

レッチェは良いサッカーをしているが、個の力の差があるので、そこが厳しくはある。決めきれないし、失点する。

 

インモービレが復調していくならCF問題も緩和されるが、どうだろうか。

 

【30~45分】

 

ラツィオがどんどんペースを握っていく。このチームにパスを回され続けると本当に厳しい。

 

ナポリラツィオも執拗なまでにポゼッションをする戦術なので、強豪チーム同士の戦いなら対策されていればそこまで強くないのだが、格下相手には滅法安定する。

 

レッチェは、疲れもあり足が止まり、中盤のスペースで前を向かれるシーンも多くなる。特にLアルベルトに前を向かれるシーンが多くなっており、中盤のスペースでLアルベルトに前を向かせることだけはしていけない。

 

中盤のスペースでLアルベルトが前を向いて持った時からのパス、というのがラツィオの一番の武器なので、それだけは絶対に徹底的に対策しなければいけない。

 

インモービレのスルーパスからのラッツァーリのシュートはファルコーネがセーブ。

 

レッチェは、CBウンティティ(退団)と左SBガッロ(怪我明け)がいないことがやはり少し痛い。

 

前半終了。0-1

 

レッチェは、良い。守備は選手面で昨シーズンより少し落ちているが、攻撃は十分に機能している。普通に強い。中位を狙えるだけの力がある。

 

ラツィオは昨シーズンと変わらない。鎌田の加入で少しプラス、インモービレが復調すればよりプラス、といったところか。FWは本当にほしいのだが。ただし、CLがあることは不安。

 

ラツィオは修正の必要はない。いつものパターンのペドロが入って流れを変えるくらいだろう。本当はザッカーニの得意の縦突破がもっとほしいのだが、対面がジェンドレイだから圧倒するのはまずまず厳しいか。

 

レッチェはLアルベルトへの守備をもっとタイトにする、CBへのプレッシャーが中途半端なので修正する形か。

あとは、負けてるのでハイラインハイプレスをするしかないだろう。

 

【45~60分】

 

ショートカウンターから、バンダ→ドルグ→ラマダニで決定機を作るが決まらず。

 

レッチェはロングボールでのサイドチェンジや展開も上手く、細かく繋げもするし、SBもどんどん上がるし、WGは個人技もあるし、CFのストレフェッツァは上手くて、本当に良い。昨シーズンより断然良い。

 

レッチェはハイラインハイプレスに変更。良い采配。素晴らしい。

 

ストレフェッツァが良い位置でミドルを打つがプロヴェデルの正面。

 

レッチェショートカウンターで次々とチャンスを作る。

ラツィオが順応する前に得点を奪いたいところか。

体力も考えたら最初の15分が勝負。

 

ラツィオは自陣でレッチェのプレスを回避できずに失うことが非常に多くなる。

 

ラツィオは、レッチェが前からきているので、カウンターや、プレスを潜り抜けての速攻で仕留めたいところなのだが、ラツィオは前線に人数をかけてのカウンターは強いが、前線に強烈な個人技や、速い攻撃時に独力でキープできるCFがいないので、そこが物足りない。やはりCFの問題ではあるのだが。

 

レッチェのラフィラのシュートはブロックされる。

 

ラツィオがカウンターからFアンデルソンが抜け出して決定機を迎えるが外す。

 

ラツィオ

鎌田→ベシーノ

Fアンデルソン→イサクセン

ベシーノにインサイドハーフは厳しくないか・・・

プレス回避したいのに守備的なベシーノを入れても余計駄目だと思うが。

 

ストレフェッツァが個人技からシュートも外れる。

 

大分レッチェが押すが、ラツィオレッチェがかなり前に出てきているので、カウンターでチャンスを作る。

 

しかしレッチェは、非常に良いサッカーをしているが、バンダもストレフェッツァもアルムクヴィストも得点を多く取るタイプではないので、得点力があまりない。

バンダのシュートが上手くなって、ストレフェッツァも得点の奪い方を覚えてくれば良くはなりそうだが。あとはアルムクヴィストが頑張る、ディ・フランチェスコを使う等か。

 

最後の得点力については、CFに古典的ストライカーではなくテクニック・ドリブルタイプのストレフェッツァを置いているからというのも関係はあるが、チームを機能させるなら明らかに古典的ストライカーよりもテクニック・ドリブルタイプなので、CFはストレフェッツァで良い。

 

この試合のここまでは、その他のプレーが微妙でも得点を取ってくれる古典的ストライカー(昔、全盛期は違ったが)のインモービレが得点を決めてラツィオがリードしていて、より崩しているレッチェの方が決められていない。

 

【60~75分】

 

レッチェ

ドルグ→ガッロ

ラフィア→カバ

ジェンドレイ→ブラン

 

ストレフェッツァ、ラマダニとチャンスを迎えるが決められず。

 

バンダのシュートはプロヴェデル正面。

 

本当にレッチェが圧倒する。

ラツィオは次々とボールを失ってショートカウンターを受ける。こういう時にキエーザやレオンのように独力突破で決めてくれる、チームを押し上げられる選手がいないのが厳しい。オシメンやラウタロのように違うパターンでカウンターで決めてくれる、押し上げられる選手でも良いが。

 

あとは、昨シーズンからの弱点だが、ラツィオはひたすら押し込まないと別に守備が良いわけではないので、ずっとボールを保持できる展開じゃないと全然強くない。

 

レッチェはあとは決めるだけなのだが、決めきれる選手がいない。

後半については完全にレッチェが圧倒。

 

ラツィオ

ラッツァーリ→ペッレグリーニ

ザッカーニ→ペドロ

 

【75~90分】

 

レッチェ

バンダ→ディ・フランチェスコ

怪我。

バンダも良いが、ディ・フランチェスコも良い選手なので、左WGについては本当に豪華。

 

Lアルベルトとカタルディでプレスを回避して、インモービレがシュートを打つがファルコーネがスーパーセーブ。続くLアルベルトのシュートもファルコーネがセーブ。レッチェはイタリア代表のファルコーネがいるというのは大きい。

 

レッチェ

ゴンサレス→ブルネテ

 

レッチェ疲労の多いCH、SBの4人を変える。良い采配。どんどんプレスをかけて、どんどんCHもSBも飛び出して行っていたので、良い交代だし、このままこれをやり続けるんだ、というダヴェルサ監督からの良いメッセージ。

 

85分、綺麗な繋ぎから最後はガッロのパスにアルムクヴィストが決める。1-1

 

89分、ガッロのクロスの混戦からディ・フランチェスコが決める。2-1

 

散々崩しに崩していて、あとは得点だけだったが、最後の方にどばっと決まる。

 

ラツィオ

カタルディ→カステジャノス

スクランブルか。

 

試合終了

レッチェ2-1ラツィオ

 

前半はほぼ互角かラツィオが優勢だったが、後半はレッチェが圧倒した形。

 

レッチェコッパ・イタリアでの出来はそのままで、本当に良いサッカーをしているし、強い。

 

昨シーズン9~11位だったボローニャトリノモンツァよりも攻撃面だけなら良い。守備面はウンティティも抜けたため少し心配だが、4141なのである程度できるだろう。

レッチェ、南部のチームはホームゲームが非常に強いので、それもあるかもしれないが)

 

ラツィオは昨シーズンと変わらずくらいの出来だろうが、この試合においてはザッカーニが全く持って調子が出ていなかったのが大きい。また、昨シーズンから引き続き、CFが全く合っていない。昨シーズンもFアンデルソンがCFに入っていた時の方が強かった。

 

レッチェ

ダヴェルサ 8.0 素晴らしいサッカーをしていた。ハーフタイムの修正、後半の選手交代も素晴らしかった。

ストレフェッツァ 7.5 フィニッシュの部分と、高さやフィジカルがなさすぎてクロスの時に役に立たないということはあるが、素晴らしいテクニックで0トップ戦術の役目を遂行。

バンダ 7.5 スピードとドリブルで左サイドを切り裂いた

アルムクヴィスト 7.0 高いテクニックとドリブルで右サイドで時間を作っていた

Jゴンサレス 7.0 長短のパスで素晴らしいパスワークを見せていた

ラフィア 7.5 長短のパスで素晴らしいパスワークを見せていた

ラマダニ 7.5 長短のパスで素晴らしいパスワークを見せていた

ドルグ 7.0 守備面はけっこうやばかったが、豊富な運動量で攻撃面で貢献。ガッロがレギュラーだろうが、頑張っていた

バスキロット 6.5 裏を取られることもあったが、頑張っていた

ポングラチッチ 6.5 裏を取られることもあったが、頑張っていた

ジェンドレイ 7.0 ザッカーニを完封。攻撃でも安定して活躍

ファルコーネ 7.5 スーパーセーブも見せ、良かった。

 

 

ラツィオ

サッリ 4.5 昨シーズンと同じラツィオで、前半は悪くはなかったが、後半はダヴェルサの修正に全く対応できず、逆に鎌田を下げてベシーノ投入という愚策をしてしまった。

インモービレ 5.5 得点こそしたが、決定的にチーム戦術に合っていないのが残念

ザッカーニ 5.0 消えすぎてしまっていた

Fアンデルソン 5.5 悪くはなかったが

Lアルベルト 7.0 後半は完全に潰されたが、前半は別格のプレーを見せた

鎌田 6.5 ミリンコヴィッチの高さとフィジカルという飛び道具は失われたが、作り、崩しの部分ではより貢献できそうで、非常にフィットしている。CFがもっと絡める選手、個人でキープできる、突破できる選手ならもっと活きるのだろうが。

カタルディ 6.5 安定のカタルディ

マルシッチ 6.5 攻守においてまずまず

ロマニョーリ 6.0 良い守備をしていた

パトリック 5.5 カザーレで良いと思うのだが

ラッツァーリ 5.0 ヒサイで良いと思うのだが

プロヴェデル 6.0 2失点はしたが安定していた

 

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