エラス・ヴェローナ GK ロレンツォ・モンティポ
2023年6月11日
スペツィアvsエラス・ヴェローナ
監督:センプリチ ザッファローニ
スペツィア
352
ショムドロフ エンゾラ
ブラビア ズルコフスキ
レツァ エスポージト フェレール
ニコラオウ アンパドゥ ヴィシニェフスキ
ドロンゴフスキ
343
ジュリッチ
ラゾヴィッチ エンゴング
デパオリ スレマナ タメーゼ ファラオーニ
ダビドヴィッツ ヒエン マニャーニ
モンティポ
今シーズンから新しく導入された残留プレーオフ。勝ち点が並んだ場合は、直接対決の結果や得失点差等を一切考慮せずに、プレーオフを行うという制度である。
ここ最近352に変えてまずまずのサッカーをしているスペツィアと、ほぼ機能していないサッカーをし続けて降格圏に沈んでいたエラス・ヴェローナ。
エラスは慣れている343を選択。色々と試して迷走していたが、このメンバー、監督なら343が一番合っていると思われる。このメンバーとフォーメーションで、相手がスペツィアならまずまずだと予想される。
【0~15分】
スペツィアはミドルブロック&プレスでポゼッション。ロングボールも積極的に織り交ぜる。まずまず。まずまずというだけで、良いわけではない。
エラスはハイラインハイプレスで、攻撃はどんどん前に出て、どんどんボールを前に出す。いわゆる特攻戦術。
守備はいつもの通り良くないが、元々良くないので、この特攻戦術は悪くない。
選手の能力的にはエラスが上で、前からプレスに出て、攻撃もどんどん積極的に前に行こう、気迫で何とかしよう、というもので、こういう気持ちが重要になってくる試合においては、いつもより断然良い。
スペツィアは戦術・組織的には悪くないが、選手個々の能力が残念。
エラスは、いつもの攻守においてビジョンも戦術も何もない、機能しないサッカーより、「積極的に前に出て何としても勝つ」という意思統一がある分、断然良い。このメンバー、監督なら一番合っているであろう、慣れている343であることも大きい。
守備が酷いのは変わらないが、攻撃については、どんどん前に飛び出して、そこになりふり構わずボールを入れるという、いわゆる特攻戦術で、いつもの全く機能していない攻撃より断然良い。
攻守において戦術・組織が機能していないチームに残された最後の手段がこの特攻戦術で、人数をかけてどんどん前に入れて選手の能力と気迫で何とかするこの戦術は、攻撃は人数をかけて、早め早めにボールをアバウトでも構わないから入れて能力勝負にすれば何とかなるし、守備が酷いのはどちらにせよ変わらずで、一発勝負の試合においては、気迫で何とかなるこの特攻戦術は断然あり。
攻守においてあまりにも酷かったチームが、後がなくなって身体能力や選手個々の力を活かした特攻戦術で一矢報いるというのはよくある話である。
5分、その特攻戦術から、ラゾヴィッチの個人技からファラオーニが決める。0-1
戦術・組織はスペツィアが上回るが、選手の能力、気迫は明らかにエラスが上回っている。
試合展開は、スペツィアはしっかりと戦術的に攻め、エラスは、人数をかけてとにかく前に前にボールを入れる特攻戦術。
エラスはとにかく攻守において機能していなかったので、もう特攻戦術をやるしかないし、それでいつもよりは断然良いが、その特攻戦術をやるということは勿論守備はボロボロになる。(元からボロボロだから大して変わらない)
また、スタミナの消耗があまりにも激しいので、いつまでもつか。
15分、FKのこぼれからアンパドゥのミドルがDFに当たって、そのままゴール。1-1
【15~30分】
エラスは守備が良くなく、常にCBが晒されている。
352相手に、2トップを3バックのみでマークとなってしまっているのは、かなり厳しい。
352は2トップがボールをキープして、全体を押し上げて攻撃するのが得意戦術であり、エラスのこの守備ではやられたい放題である。
しかし、前述のように、エラスは守備を捨ててでも特攻戦術を取るのが最善なので、仕方ない。
また、そのような守備の状況でもスペツィアの個の能力が低いので何とかなっている。
25分、人数をかけた攻撃で、ゴチャゴチャからエンゴングが決める。1-2
気迫、気持ちでは完全にエラスが上回っている。
スペツィアは、エラスの圧力に押されてラインを下げすぎてしまっているので、落ち着きたいところ。
【30~45分】
38分、カウンターからエンゴングが個人技で決める。1-3
単純にスペツィアは個人能力が残念。
前半終了1-3
スペツィアは2トップの一角のショムドロフは変えた方が良い。ギャシは確か怪我か?
また、守備はもっとラインを高くしなければいけない。
スペツィアは守ってカウンターの形ならまだしも、自分たちでボールを持って、ポゼッションしてというのは全く上手くないので、2点差をつけられてしまっては非常に分が悪い。
エラスはこのまま気持ちを切らさず戦えるか、といった形か。
【45~60分】
エラスは変えず、前から積極的にプレスに行くし、攻撃も特攻。
良い判断。
スペツィアがボールを持つが、スペツィアはポゼッションは得意ではない(酷い)ので、攻め手に欠く。
クロスからのズルコフスキのシュートはモンティポがスーパーセーブ。
エラスはモンティポがいるのは大きい。
この試合はGKの差が如実に出ている。
ヴィシニェフスキ→ヴェルデ
攻めなければいけないスペツィアは433に変更。
ダビドヴィッツ→カバル
ラゾヴィッチ→ヴェルディ
【60~75分】
ズルコフスキ→コヴァレンコ
変わらずスペツィアが持つが、個々の能力が低く、崩すまでには至らない。
67分、ロングボールからショムドロフが抜け出して、GKをループで越したボールがそのままゴールに入りそうなところ、ファラオーニが手で弾いて防ぐ。退場&PK。しかし、エンゾラのPKはモンティポがセーブ。
これで追いついていれば分からなかったが、モンティポがスーパーセーブで救う。
モンティポは良いGKだが、この試合も大活躍。
エラスは10人になったので引いて守るように。
あとはエラスが守り切れるかどうか、という展開だろう。
【75~90分】
ジュリッチ→ガイチュ
エンゴング→テッラッチャーノ
モンティポが連続でファインセーブ、スーパーセーブを見せる。
エラスは完全に引いて守る。
フェレール→アグデロ
Sエスポージト→チポット
マニャーニ→コッポラ
スペツィアがパワープレー気味に攻める。
アディショナルタイム、アンパドゥのシュートはバー。
エラスが守り切り試合終了。1-3
結果、エラス・ヴェローナが残留することに。
エラスは、戦力はまずまずなので、来シーズンは良い監督を見つけることが重要。