トリノ FW ドゥヴァン・サパタ
2024年1月26日
セリエA第22節
監督:ラニエリ ユリッチ
343
ペターニャ
ヤンクト ナンデス
アッツィ マクンブー スレマナ ザッパ
ハツィディアコス ドッセーナ ウィエテスカ
スクフェット
3421
サナブリア
サパタ ヴラシッチ
ラザーロ リネッティ リッチ ベッラノヴァ
Rロドリゲス ボンジョルノ タメーゼ
ミリンコヴィッチ
【試合:簡易版】
カリアリはハイラインハイプレスでショートカウンター、カウンター狙い。
トリノはミドルブロック&プレスでポゼッション。
カリアリが343でハイラインハイプレスなのは、トリノの343相手に、ミラーゲームでハイプレスを仕掛けて嵌めようという意図だろう。
しかし、トリノの343(3421)はストライカータイプ2人、WG1人の変則3421で、真ん中のサナブリアを中盤に下がらせることとCFの役割をさせ、左のサパタをサイド気味からのドリブル突破やチャンスメイクの役割やCFの役割、右のヴラシッチをWG及び裏抜けの役割と、それぞれの個性に合った、かつ流動的にする良い戦術を取っており、普通の343ではないため、カリアリは厳しそうである。
流動的かつ裏抜けの得意な3トップなため、カリアリのこの守備戦術は失策と言える。
トリノは、当初は前線と中盤の力不足により、ボールが上手く運べずに、サパタ頼みで全く良い攻撃ができていなかったが、このCF2枚とWG1枚の変則の3421にしてからは上手く機能している。流石ユリッチ監督といったところで、素晴らしい。
流動的な良い攻撃ができているだけでなく、3トップのそれぞれの選手の個性を上手く引き出しており、欠点も上手く補っている。
サパタは、CFをやらせたら、マークが厳しい中でもキープできるため、独力で何とかできるサパタにチームが頼ってしまう傾向があり、DFを背負ってのポストプレーや無理やりな独力突破が多くなる。また、それをしてもWGが貧弱すぎて良い攻撃にならない。
そのサパタを左に置くことにより、流動的にWGの役割やSTの役割、CFの役割を、あまりマークが付きづらい左サイドから中に侵入させることにより、前を向け、サパタのドリブルが活きている。
サナブリアは器用貧乏で突出している部分があまりないが、流動的にトップ下のような役割もこなさせることにより、器用貧乏さが活きている。
ヴラシッチは、昨シーズンや今シーズン序盤のように左WGをさせたら、あまりテクニックがないためほとんど活きないのだが、右で裏抜けを多用させることにより、スピードや献身性が活きている。
この「選手の個性を引き出す」、「選手に合わせて戦術を構築する」、「変則で流動的な前線」、「ガチガチな戦術構成」、「限られた戦力でも戦術でどうにかする」というのはまさに昔のガスペリーニ式343であり、セリエAの優秀な監督の醍醐味である。
ガスペリーニが変わってしまい、グイドリンやコンテもいなくなり、上位のチームに本当にセリエAの監督か?と疑うような監督が多くなってしまい寂しかったが、ユリッチやモッタ、パッラディーノ、ジラルディーノ等のガスペリーニに師事した、期待できる戦術家も出てきてくれたので、これからに期待したいところである。
トリノがボールを握り、主導権を握っていく。
カリアリは何もできていない。
一方的な展開。
22分、綺麗に崩してベッラノーヴァが抜け出し、クロスをサパタが決める。0-1
リードしたことによりトリノが引き始めたので、カリアリも攻め出すことができるようになるが、変わらずトリノ優勢。
サナブリアのヘッドはスクフェットがセーブ。
サパタがドリブル突破からGKと1対1になるがスクフェットが止める。
48分、ドリブル突破からリッチが決める。0-2
試合終了
トリノの攻撃が良かったのはカリアリが相手というのもあるので、やはり中盤にゲームメイカーもしくは推進力のある選手、前線に能力のある選手がほしいことに変わりはない。