セリエA第2節 ACミランvsトリノ -最強の悪魔-

ミラン MF ラデ・クルニッチ

2023年8月26日

セリエA第2節

ACミランvsトリノ

監督:ピオリ ユリッチ

 

ACミラン

433

      ジルー

 レオン       プリシッチ

  ラインデルス  ロフタスチーク

       クルニッチ

Tエルナンデス トモリ ティアウ カラブリア

      メニャン

 

開幕節と変わらないいつものメンバー。

 

トリノ

343

        サナブリア

 ラドニッチ          ヴラシッチ

ヴォイヴォダ  イリッチ  リッチ   ベッラノヴァ

   Rロドリゲス ボンジョルノ スフールス

        ミリンコヴィッチ

 

開幕節から、カラモー→ラドニッチ。タイプ的にカラモーはジョーカーとして使いたいのだろう。他はいつものメンバー。

 

 

開幕節は、ミランボローニャに2-0で快勝。攻守において433とし、完璧に近づいている。あとはCF問題、レオンの調子、チュクウェゼ、オカフォー、ムサをフィットさせる、怪我人が出ない、ターンオーバーを上手くやるといったところか。

 

いつものように最後の方に交代選手を一気に入れるのではなく、スタメンの中でチュクウェゼ、オカフォーがどれだけやれるか見たいものである。

また、(ピオリはそういうことはやらないだろうが)ロメロやチュクウェゼのCFも見てみたい。

 

トリノカリアリに0-0だった。守備は昨シーズンと同じだが、ミランチュクが抜けた穴が大きく、攻撃に問題が残る。

 

トリノは343で守備的には全く固くないため(戦術上の話。実際はCBが強力なので守備は良い。ミラン相手でなければ。)やりづらい相手ではなく、アウェーにも強くないので、ミランは勝利が必須。

戦術上の話なら、ミランは圧勝以外あり得ない。

 

【0~15分】

 

トリノは、マンマーク気味のミドルプレスで、最初は前から、運ばれたらミドルブロック。攻撃はカウンターを狙うが、できないならポゼッション。

 

ミランはハイラインハイプレスでポゼッション。

 

ミランは433にしたことが非常に大きく、非常に強い。

(そんなことはないが)怪我人が出なく、ターンオーバーもないなら、十分に優勝できる。

 

ミランが圧倒的に優勢。ボールもミランがずっと持つ。

433にしたこと(昨シーズンから433以外あり得ないのだが・・・)、ラインデルス、ロフタスチーク、クルニッチの3センターが非常に良い。

 

現代サッカーは中盤を3センターにする以外は選択肢がほとんどなく、必然的に433か352以外のフォーメーションを選択する余地はない。唯一の例外と言って良いのが今日の相手の343。ただし、343は戦い方がプロヴィンチャの戦い方なので、ビッグクラブにはおすすめではない。

 

3センターは4312もあるが、攻撃面は良いとして、守備面や352に圧倒的に弱いこと、機能させることの難しさを考えれば、積極的な選択肢にはならない。機能させられるなら問題ないが。

 

クルニッチが気の利いたポジショニングとパスで上手く中盤を回し、上手くロフタスチーク、ラインデルスがスペースに侵入して前を向いてボールを持ってパスを捌き、レオンやプリシッチ、(Tエルナンデス)が絡むこの攻撃は本当に強い。

 

特に、ラインデルスが本当にえげつない。既に世界最高クラスのインサイドハーフの選手と言って差し支えない。ここまで凄い選手はセリエAではジエリンスキくらいだろう。次元が違う。素晴らしい選手を連れてきたものである。

 

ポジショニング、動き方、ボールの貰い方、足元の技術、ドリブルでの運び、ボールの持ち方、パスの判断、全てが素晴らしい。

 

オランダ代表も、デローン、ラインデルス、コープマイネルスの3センターなら非常に強いのだろうが、まぁやらないだろう。

 

ミランが圧倒する。

トリノは攻守において手も足も出ていない。

 

トリノは完全に押し込まれているし、どんどん崩されているし、攻撃もカウンターができる前線ではないし、ポゼッションでもミランチュクがいないため、打開する手段がない。

ロングボールでの一発カウンターやセカンドを拾って何かする、しかほぼほぼない。

 

ミランが攻守において完全に433にしたため、攻撃も守備も本当に格段に良くなっている。

 

【15~30分】

 

トリノ

サナブリア→ペッレグリ

怪我。

 

ミランが次々チャンスを作る。

 

トリノは守備時は3412の形にし、2CBには持たせるが、ヴラシッチをクルニッチにつけ、ロフタスチーク、ラインデルスにも中盤をマンマーク気味でつかせて、ミランの攻撃を封じようとする。

 

あまり良い守備ではない。

中盤、前線にスペースができるので、ミランの推進力抜群のラインデルス、ロフタスチーク、レオン、プリシッチにスペースを与えてしまうことになる。

 

また、前から人にマークを付けるならハイプレスをしなければいけない。人につけてはいるが、プレスがかからない(前で待ち構える形)ので、良くない。

 

これをやると後ろのスペースが空くので、ミランはロングボールでもチャンスを作る。

また、これはCBやGKからビルドアップを開始した時には効果が出るが、攻守の切り替え時や、ミランが運んだ時にはこの守備はできないので、カウンターやショートカウンターミランの中盤がプレスを上手く潜り抜けて崩される。

 

ジルーの所が違うドリブルのできるCFならポゼッションでももっと崩せるし、カウンターも強力無比になるのだが・・・

 

ただでさえプリシッチ、レオンのドリブルが強力なのに、CFにまでドリブルができる選手がいたら本当に強い。

 

セリエAの攻撃(良い攻撃、現代サッカーの攻撃)は、ポゼッション時には流動的になりながらスペースを作って前線の選手に前を向かせて、そこからドリブルで崩す、もしくはカウンターで仕留めるというものがほとんどで、他のリーグと違って放り込みやクロス攻撃はほぼ存在しないので、前線の選手に求められるのはとにかくドリブルの能力、個人技である。

 

ポストプレーも(放り込みやロングボールはほとんどないので)、流動的になる、中盤に降りたりサイドに流れて行えば良いので、前線に高さやフィジカルはそこまで要らない。

 

もしくは、圧倒的なスピードとフィジカル及び標準以上のテクニックがあったり、圧倒的なフィジカルとテクニック及び標準以上のスピードがある等。(例えばオシメンやAギャン、ベト、イブラヒモヴィッチルカク等)

 

ジルーのように高さとフィジカルしかないFWはセリエAでは中々厳しい。

 

この試合のジルーはロングボールを体を張って競ったりしていて、頑張っているし、433にして人が多く周りにいるため、昨シーズンよりは断然良いのだが。

 

現状はジルーはそこまで悪くはないが、格別に良いわけではなく、オカフォーもフィットするのか問題があり、デケテラーレ(移籍)やロメロやチュクウェゼをCFで使いこなせる、試すような監督ではないので、このままだとCF問題は重くのしかかる可能性がある。

 

【30~45分】

 

トリノが前からマンマーク気味で守備をするので、レオンのスペースがあり、レオンが躍動する。

 

レオンは前節やプレシーズンはいまいちだったが、今節は調子も上がっていて良さそうである。ドリブルにキレがある。ただし、最後のパスの精度は相変わらず良くない。

 

プリシッチはドリブルも非常に良いが、パスの精度も抜群なので、本当に良い。

この試合もプリシッチから何度もチャンスを作る。

 

今日のプリシッチはいつもよりも中でプレーする機会が多く、非常に良い。ラインデルス、プリシッチはあまり戦術で縛らずに、もっと自由にやらせて良いと思う。

 

32分、そんなことを言っていると、プリシッチのドリブルからロフタスチークにスルーパス、折り返しをプリシッチが決める。1-0

 

ロフタスチークも抜群に良い。抜群に良いし、周りとの組み合わせが非常に良い。

 

トリノミラン相手では相当厳しい。343でミランの破壊的な433を止めるのは戦術上相当厳しい、というよりは無理。

 

トリノのユリッチ監督は、守備を工夫はしているが、ラインデルス、ロフタスチークは前を向いてボールを推進させられる選手であり、プリシッチもレオンも推進力があるので、この前からの守備では止められない。

 

この4人にスペースを与えてはいけない。

 

あとは、やはり前から守備をするのならプレスしなければいけない。ローラインハイプレス、ハイラインブロックは絶対にやってはいけない。引くならブロック、ラインを高くするならプレスをしなければいけない。

 

35分、FKの流れの混戦から、リッチの当たりそこないのミドルをスフールスが反転ボレーで決める。1-1

 

リッチがミドルシュートの振りだったため、完全にボールウォッチャーになってしまった形か。流れの中からではないため仕方ない。

 

43分、レオンのクロスがジルーの肩に当たった後にボンジョルノがハンドでPK(VAR)。ちょっとかわいそうだが、もろに手には当たっている。ジルーが決める。2-1

 

47分、中盤の美しい崩しから、レオンのスルーパスをテオが決める。3-1

 

レオンとテオは相変わらず個人能力が高くて良く、ラインデルスとクルニッチは抜群の判断の良さで非常に素晴らしく、ロフタスチークも非常に良いし合っており、プリシッチも能力・判断ともに素晴らしい。

 

クルニッチ、ラインデルスが本当に気が利くし、パスの判断が抜群で、ロフタスチークも余計なことをしないので、本当に良い中盤。球離れが良い選手が(レオン以外)揃っており、本当に良い。

 

このチームは本当に強い。CFをどうにかして、ぜひスクデットを取ってほしいものである。

今後は怪我、ターンオーバーも怖いが・・・

 

前半終了。3-1

 

ミランは早くオカフォーやチュクウェゼを出すべき。この試合は負けるわけがない。

本当はロメロやチュクウェゼのCFが見てみたいのだが、ピオリはそういうことはやらないので。

 

トリノは3-1になってしまったらもうどうしようもない。ミラン相手、アウェー、343対ミランの433と、最初から負けが決まっている試合なので、この試合はどうでも良い。

 

修正するなら守備戦術が良くないので、引いてブロックを作るか、ハイラインハイプレスをするかだが、3-1になってしまってからではもう遅い。3-1ならハイラインハイプレスをするしかないだろう。

 

【45~60分】

 

トリノ

イリッチ→リネッティ

 

試合展開は変わらず。ミランが圧倒する。トリノは何もできない。

ミランは早くベンチの選手を試してほしいのだが・・・

 

ロフタスチーク、プリシッチがチャンスを迎えるが決めきれず。

 

トリノ

ベッラノヴァ→ラザーロ

ラドニッチ→カラモー

 

59分、ラインデルスの素晴らしい持ち運びのカウンターから、裏のレオンへピンポイントのスルーパスが出て、折り返しをラインデルスが打つが外れる。

 

しかし、このプレーでスフールスがレオンを足の裏で踏んでいたためPK(VAR)。プレー的にはそんなでもないが危険なので妥当か。ジルーが決める。4-1

 

【60~75分】

 

ミラン

ロフタスチーク→ムサ

レオン→オカフォー

ジルー→チュクウェゼ

レオンは先ほどの踏まれた時に足を痛めていたこともあるだろう。

 

左プリシッチ、右チュクウェゼ、真ん中オカフォー。

 

【75~90分】

 

ミラン

ティアウ→ケアー

 

ミラン

Tエルナンデス→フロレンツィ

 

試合終了

ACミラン4-1トリノ

 

ミランが何もさせずに圧勝した形。

 

トリノはこの攻撃で本当に大丈夫か不安になってくる。

 

ACミラン

ピオリ 7.5 CF問題以外は素晴らしい

ジルー 6.5 体を張って貢献

レオン 7.5 キレのあるドリブルを見せていた

プリシッチ 8.0 今日は中での崩しに関わることも多く、いつもよりさらに良かった

ラインデルス 8.5 別格

ロフタスチーク 7.5 推進力とフィジカルとテクニックがあり、本当に素晴らしい

クルニッチ 8.5 抜群のパスの判断の良さと気の利いたポジショニングと動きで、大きく貢献。守備でも大きく貢献。

Tエルナンデス 8.0 相変わらず良いし、得点も奪う

トモリ 7.0 良い出足で相手を良く潰していた

ティアウ 6.5 相手のロングボールを跳ね返し、他も良い対応を続けていた

カラブリア 6.0 安定

メニャン 6.5 安定

 

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