セリエA第16節 ACミランvsモンツァ -変則戦術による復活-

ACミラン MF タイアニ・ラインデルス

 

2023年12月17日

セリエA第16節

ACミランvsモンツァ

監督:ピオリ パッラディーノ

 

ACミラン

変則343

        ジルー

 レオン         プリシッチ

Tエルナンデス ラインデルス ロフタスチーク フロレンツィ

    ポベガ ケアー トモリ

        メニャン

 

前節からカラブリア→ケアー、ムサ→ポベガ、チュクウェゼ→レオン。

 

ついにレオンが復帰。

オカフォーもベンチに戻ってきた。

 

モンツァ

343

        コロンボ

  モタ           コルパーニ

キリアコプーロス ペッシーナ ガリアルディーニ Pペレイラ

   Aカルボーニ カルディローラ ダンブロージオ

       ディ・グレゴーリオ

 

【0~15分】

 

ミランはハイラインハイプレスでポゼッション。

 

モンツァはミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

3分、ラインデルスが見事なドリブルで中央を鮮やかに3人抜きし、ゴール。1-0

 

ミランがこれまでと全く違う変則的な布陣を敷く。

 

3バックに、アンカーにフロレンツィ、左WBにTエルナンデス、右WBは不在(トモリとロフタスチークがそのスペースを使う)で、インサイドハーフにラインデルスとロフタスチーク、そして3トップ。

 

守備時は343。

そのため、343の基本布陣から、攻撃時に右WBのフロレンツィがアンカーに入り、ラインデルスとロフタスチークがボランチからインサイドハーフになると表現した方が分かりやすいかもしれない。

 

しかし、期せずとも序盤戦の圧倒的な強さで連勝していた時と同じ構造となっているので、これまでの試合よりも圧倒的に機能している。

 

具体的には、レオン、ジルー、プリシッチの3トップの下のインサイドハーフに圧倒的なラインデルスとロフタスチークがおり、アンカーにバランスを取るフロレンツィ(序盤戦はクルニッチ)という形になっており、それが良い。

 

ただし、安定性や守備も考えたら「普通にクルニッチをアンカーにした433で良いのでは」とはなる。343と433(4141)では守備力に大きな違いがある。

 

それでも、ここ数試合で全く機能していなかった(ほぼ4231かつムサ入りの)433よりは何倍も良いのは間違いない。

 

モンツァは、ミランがここ数試合と全く異なる戦術を敷いてきているので、大混乱に陥っている。あとはシンプルにミランが久しぶりに機能している。

 

また、モンツァは元々守備は良くない、ビッグクラブ相手は非常に厳しいチームというのもある。

 

まず開始10分はミランが圧倒する。

 

しかし、ミランは攻撃時は(ピオリが壊した)序盤戦の時とほぼ同じ形になっているため、非常にやりやすそうにしているが、守備はまだ混乱が見られる。ただし、343は、4231よりもハイラインハイプレスがやりやすい、機能する布陣なので、4231よりはまだ良い。

 

4231は守備には何のメリットもないどころか非常に大きなデメリットしかなく、攻撃もトップ下に余程の怪物(かつインサイドハーフでは絶対に使えないような選手)がいて、特殊な戦術を使用してようやく使えるレベルの、現代サッカーではほぼ使用する意味が皆無の戦術のため、その戦術ではないだけで大きな進歩である。

 

変則的なので、この先も使用するとはあまり思えないが。

モンツァだから圧倒しているが、他のチームにこれが通用するとはあまり思えない。それなら、前述のとおり安定の433で良い。実際433(かつまともなメンバー構成)の時は、仕方ないインテル戦以外はこれでもかというくらいに圧倒していた。)

 

また、343はミラーゲームでハイプレスをかけられると非常に厳しく、同じ343のモンツァには非常に有効。

 

試合はミランが完全に圧倒し、次々とチャンスを作る。

 

モンツァも、微塵も機能していなかった前節までのミランを想定していただろうから、これは驚いているだろう。

 

【15~30分】

 

試合が落ち着いてくると、モンツァも攻勢に出られるようになる。

 

ミランが、

(1)343に慣れていない

(2)343は、守備は脆い

(3)プレスが中途半端

(4)CBに復帰直後かつ年齢的に厳しいケアー、本職ではないポベガがいる

 

という理由により、守備はあまり良くない。

 

ただし、攻撃はやはり良い。インサイドハーフに戻ることにより、えげつないレベルのラインデルスが戻ってきている。この選手をアンカーやボランチ、トップ下で使おうという神経が考えられない。

 

ラインデルスが輝くことにより、ロフタスチークも輝き、WGも機能し、チーム全体が機能する。

 

ミラン

ポベガ→シミッチ

怪我。デビュー戦。

シミッチが右CBに入り、トモリが左CBに。

 

フロレンツィのミドルはディグレゴーリオがスーパーセーブ。

 

しかしミランは守備が酷い。モンツァも普通に攻め込める。これでは、この343は使い物にならない。

最初の10分の、前で嵌めていた時は良かったが、プレスを弱めた後は非常に脆弱。ただし、攻撃は抜群に良い。

 

ミランはリードしたというのもあってか、引いて守り始めている(ラインがかなり低くなっている)が、343は引いて守れる戦術ではないので、それはNG。

 

また、フロレンツィを完全に右WBにし、攻撃時も343にする。守備の改善? 守備時は元々343だから変わらないと思うが。意図は不明。機能しているものを変えないほうが良いとは思うが、ラインデルスとロフタスチークの役割は変わっていないため、まだ大丈夫寄りか。

 

また、せっかく改善の兆し、ヒント、実証、どう考えても答えが出ていようが、どうせピオリはまた大好きな4231に戻すのだろうな、という不安しかない。

 

いくら抜群に機能した試合があろうが、一切意に介さずに、全く機能しない自分の大好きな4231や意味の分からない選手に拘る、を繰り返しているので、本当に救いようがない。

 

【30~45分】

 

引き続きモンツァが攻勢。

ただし、ミランもカウンターをメインに、ポゼッションでもどんどん崩していく。

 

ミランはこのまま押し切られる前に追加点を奪いたい。

 

フロレンツィのシュートはディグレゴーリオがまたしてもスーパーセーブ。

 

41分、ラインデルスの鋭いパスを受けたレオンからのクロスを、シミッチが押し込む。2-0

 

プリシッチのカットインからのミドルはバー。

 

前半終了2-0

 

ミランは守備の修正が必要。引きすぎ。

 

モンツァはベンチも考えたらどうしようもない。

 

【45~60分】

 

前半途中からと変わらず、ミランが引いて守っり、モンツァが攻め込み、ミランはカウンターを狙う展開。持てる時はポゼッションで崩す。

 

モンツァ

キリアコプーロス→チューリア

コロンボマリッチ

 

コルパーニのシュートはメニャンがスーパーセーブ。

 

【60~75分】

 

モンツァ

コルパーニ→Vカルボーニ

ペッシーナ→アクプロ

 

ミラン

レオン→オカフォー

ロフタスチーク→ベナセル

ケアー→バルテザーギ

 

オカフォーのシュートはディグレゴーリオがスーパーセーブ。

 

75分、ラインデルスの突破からのパスをジルーが落としオカフォーが決める。3-0

 

【75~90分】

 

モンツァ

Aカルボーニ→イッツォ

 

ミラン

オカフォー→チュクウェゼ

怪我。復帰戦だが・・・

 

試合終了

ACミラン3-0モンツァ

 

ACミラン

ピオリ 6.5 これまでの傾向からすると、343はモンツァ用の一時的な戦術で、これまで機能していないからとりあえずやってみた、で継続はしないと思うが、今後どうするのだろうか。ひとまず、この試合においては攻撃は復活、守備は良くなかった。現状では、攻守において433、アンカーはクルニッチかベナセルかアドリ、インサイドハーフはラインデルスとロフタスチーク以外の選択肢はあり得ないが・・・

ジルー 6.5 ポストプレー等で貢献

レオン 7.5 個人技等で貢献

プリシッチ 7.0 安定

Tエルナンデス 7.0 スペースを駆け上がり攻撃で大きく貢献

ラインデルス 8.0 1ゴールに加えて2点を演出。ゴール関係以外も素晴らしいプレーでチームを牽引。この選手をアンカーはあり得ない。

ロフタスチーク 7.5 ラインデルスとともに素晴らしいプレーでチームを牽引

フロレンツィ 6.0 無難にこなした

ポベガ -

ケアー 5.5 頑張ってはいた

トモリ 7.0 守備で大きく貢献

メニャン 7.5 良いセーブをしていた

 

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