セリエA第28節 ナポリvsACミラン -偽トップ下戦術-

 

2023年4月1日

セリエA第28節

ナポリvsACミラン

監督:スパレッティ ピオリ

 

ナポリ

433

     シメオネ

クヴァラツケリア      ポリターノ

  ジエリンスキ  アンギサ

     ロボツカ

Mルイ キムミンジェ ラフマニ ディロレンツォ

      メレト

 

オシメンがベンチ外。

 

ミラン

4231

      ジルー

 レオン   ベナセル  ディアス

    トナーリ クルニッチ

Tエルナンデス トモリ ケアー カラブリア

      メニャン

 

3412から4231に変更。

3421の時はまだ良かったが、3412は全く良くなかった。4231に戻してどうなるか。レオンやジルーを活かすことを考えたら、4231ではあるし、しっかり機能するなら4231が良いことは間違いない。ベナセルがトップ下でディアスが右なのは非常に良さそう。

 

ベナセルがトップ下はかなり面白く、モウリーニョインテルスナイデルをトップ下に置いた、疑似レジスタ戦術を彷彿とさせる。

 

※ レジスタ ≒ 司令塔、ゲームメイカ

 

レジスタをトップ下に置くこの特殊な布陣は実に面白く、機能しそうであるし、非常に楽しみである。

(機能させることができるならば)、トップ下にレジスタを置き、そこを起点とすることによって、左右のサイドアタッカーはボールの引き出しではなく、動き出しに注力できる。

また、トップ下が降りたスペースを利用して、左右のアタッカーが2列目の空いたスペースや、DFラインの背後を自由に動けるため、左右のアタッカーの攻撃能力を存分に活かすことができる。

また、トップ下の位置から下がることによって、相手は一番抑えなければいけないレジスタを捕まえづらくなる。さらには、ボランチも前に上がれるため、サイド、ボランチ、トップ下が流動的に動く、非常に良い攻撃になる。大変楽しみである。

 

【0~15分】

 

ナポリはハイラインハイプレスでポゼッション。

 

ミランはミドルブロック&プレスでポゼッションを基本としつつも、ショートカウンター、カウンターを狙う。

 

ナポリが持つ展開。

 

ミランは前述のとおり、ベナセルのトップ下が機能しそう。

ベナセルがトップ下で下がって起点となることにより、左右のレオンとディアスが高い位置、自由な位置でボールを貰えるため、流動的な良い攻撃となる。これは面白い。

 

この戦術を行うには、スナイデルのように、どんな状況でも預けることができる、つまりはどんな状況でもトラップができる技術、足元のテクニック、ボールキープ能力、そこからどんな状況でもパスを展開できる(長いパスも出せる)能力が必要だが、ベナセルはそれらを持っているため、この戦術は成り立つ。ディアスは、それらはできないため、ディアスのトップ下では成り立たない戦術。これは素晴らしい。

 

ディアスはサイド気味でスペースがある状況で前を向いて持たせたり、サイドから中に行ってスペースがある状況で前を向いて持たせる方が良いため、この戦術の右サイドは活きる。

 

レオンについても同様で、この戦術ならこの二人が大いに活きる。

 

ベナセルはスナイデルほどボールを集められているわけではないが、トナーリ、クルニッチ、ディアスとこの4人が流動的に動いてポジションを変え、全員が足元があるため、成り立っている。(慣れてきたらもっとベナセルにボールを集めて、戦術の中心にしても良さそうだが)

 

ナポリは、この戦術は全く想定していなかっただろうから、対応できていない。

全く別のチームだから当然だろう。

 

ミランは布陣やメンバーだけ考えれば、守備面の問題はそこまで解決はしていないが、ディアスではなくベナセルがトップ下に入っている分、守備はその分良くなっている。また、レオンが守備に戻っているため良い。これがナポリ相手でモチベーションが高いからではないと良いのだが・・・

 

また、ナポリに対して、CBには自由に持たせるが、中盤のロボツカ、ジエリンスキ、アンギサは自由にさせずに徹底マークする。良くナポリを研究できている良い守備。

 

この守備で中盤で引っ掛けて、ショートカウンター、カウンターを中心に崩していけば、十分に勝てる。

 

ナポリは圧倒的に押し込んで守備面をごまかしている、例えるなら(レベルは違うが)昔のバルセロナのようなチームで、しっかり対策をし、カウンターが機能するならそこまで強いというチームではない。具体的には、中盤の3センターを徹底的に抑えて、カウンターで攻め立てれば十分に勝てる相手で、完全に押し込まれなければ十分に勝てる相手。

 

完全に押し込むことを前提としたチームのため、押し込むことができなければ、途端に守備は脆い。

 

【15~30分】

 

ミランはベナセル、レオン、ディアスを中心に素晴らしい攻撃を見せる。

レオンが数か月ぶりに輝いている。体のキレも戻りつつある。

 

16分、カウンターからディアスが素晴らしい足技でサイドを突破し、DFラインの裏に抜け出したレオンにスルーパス、レオンが決める。0-1

 

ここまでは完全にミランの思惑通り。ナポリは対策をするチームではなく、対策をされる側のため、対策がハマれば脆い。ミランが完全に優位に立っている。

このミランの攻撃戦術が研究されて対策されてきたら分からないが、この初出しの試合で対策できるわけもなく、ナポリは完全に戦術にやられている。

 

ナポリは中盤の3センターを徹底マークされて攻撃がどん詰まりしているため、ポリターノに代えてロサーノを入れた方が良い。ロサーノは単独で縦突破でき、無理に崩せる、DFラインを下げさせることができるため、流れを変えたい。どん詰まりしている時の裏抜け一発のオシメンがいないのも痛いが、いないならロサーノで流れを変えるくらいが妥当。シメオネも良くないため、変えたいところ。

 

24分、レオンの素晴らしいドリブルからジルーのポストプレー、ベナセルがクロスし、ディアスが決める。0-2

2点差になったら流石に試合終了。

 

ミランのこの戦術は非常に機能しているし、素晴らしい。

 

全員のコンディションが最悪の状態から上向いている(ナポリ相手にモチベーションが高い?)というのも大きい。

 

完全にミランが圧倒している。

 

【30~45分】

 

ここ数か月のミラン流動性の欠片もない酷い攻撃だったが、今日は非常に流動的で素晴らしい。ディアス、ベナセル、トナーリ、クルニッチが流動的に動いて攻撃が機能している。

スペースのあるナポリ相手ではなくともこれができれば非常に良いが、果たしてどうなるか。

 

ディアスは好不調の波が非常に激しいが、今日は素晴らしい日。本人自身の好不調の波もあるが、相手がどれだけ対策しているか、自チームがどれだけ機能しているかにも非常に左右されるが、今日はどれも大丈夫で、素晴らしいプレーを見せている。

 

レオンにも同様のことが言える。二人ともスペースがあって前を向いた時に本領を発揮する、そうでないと全く力を発揮できないため、どれだけ監督が二人を活かせるか、戦術を機能させるかが非常に重要。

 

ナポリは引いて守るチームではないため、大丈夫だが、引いて守ってくるチームにもしっかり機能させられるかは監督の腕の見せ所ではあるが、果たしてどうなるか。

「スペースのあるナポリ相手だから、たまたまディアスとレオンが活きて上手くいってました」ではなく、自分たちから能動的に流動的に動き、機能させられることができるかどうかが今後重要になってくる。

 

前半終了0-2

 

ミランは素晴らしい。

これに加えてデケテラ-レをワントップで機能させて、さらに流動的な良い攻撃ができ、デケテラーレをカンピオーネに成長させられるなら100点だが・・・

 

ナポリは、完全にミランの新戦術に対応できずにやられている。

また、裏抜けの一発があって相手のラインを崩せ、フィニッシュの高さの担保のあるオシメンがいないため、そこは非常に痛い。

 

ナポリは戦術を変えるようなチームではないため、ロサーノを入れるか、シメオネを誰かに変えるくらいしか打開方法がなかったが、2点差となってミランがある程度引き始めているため、そうなってからロサーノを入れても大して変わらないか、むしろ逆効果になる。

非常に厳しい。

 

幸いにもミランが引き始めているため、押し込んで押し込んで自分たちのサッカーをして、何とか点を取るしかないが、2点差は流石に厳しい。

 

【45~60分】

 

カウンターからレオンがドリブルで駆け上がり、ベナセルのパスからジルーが抜け出してGKと1対1になるが、シュートは外れる。

 

レオンが完全に昔に戻っている。素晴らしい。

守備でも帰陣しているため、これがナポリ相手でモチベーションが高いから、というわけではないと素晴らしいが、果たして・・・

 

試合はナポリが押し込む展開に。

ミランは引いて守ってカウンターを狙う。

 

ディアス→サーレマーカース

スタミナ面、試合展開を見ての交代。良い交代。

 

58分、トナーリがジエリンスキからボールを搔っ攫い、ショートカウンターからレオンが得意の形の縦突破の個人技で決める。0-3

 

トナーリのボール奪取率が尋常ではなく、素晴らしい。

 

【60~75分】

 

カウンターからジルーが至近距離からの絶好機を迎えるが、シュートを決められず(オフサイドではあった)。

 

66分、サーレマーカースが切れのあるドリブル突破で3人(4人)かわしてゴール。0-4

点差が開いてスペースがすごいというのもあるが、サーレマーカースが非常に切れている。

 

ポリターノ→ロサーノ

ロボツカ→エルマス

ジエリンスキ→エンドンベレ

試合は完全に終わっているため、クヴァラツケリアも休ませて良いと思うが、流石にまだ露骨すぎるか。

 

ジルー→オリギ

レオン→レビッチ

休ませ。

 

オリギの底は見えているので、こういう時こそデケテラーレをワントップで試してほしいものだが・・・

 

【75~90分】

 

シメオネ→ラスパドーリ

ラスパドーリの復帰はナポリにとって非常に大きい。

 

キムミンジェ→Jジェズス

 

ベナセル→デケテラーレ

クルニッチ→バカヨコ

 

バカヨコのパスミスからラスパドーリがGKと1対1になるが決められず。

 

試合終了。0-4

 

スパレッティ 5.0 ミランの新戦術に全く対応できなかった

シメオネ 5.0 空気となってしまっていた

クヴァラツケリア 7.0 得意のドリブルで翻弄

ポリターノ 5.5 ドリブル突破はしていたが、チームとして良かったかどうかは微妙

ジエリンスキ 5.5 徹底マークにより封じ込められてしまっていた

アンギサ 5.0 ボールロストが目立ってしまっていた

ロボツカ 5.5 ロボツカのせいというよりはチーム全体の責任ではあるが、守備面の脆さを突かれてしまっていた

Mルイ 5.5 試合にそこまで関われず

キムミンジェ 4.5 晒された状態だったとは言え、完全にレオンやディアスにやられてしまっていた

ラフマニ 5.0 晒された状態だったとはいえ、レオンを止められなかった

ディロレンツォ 5.0 レオンにボロボロにやられたが、機能しているレオンを止められる選手は存在しない

メレト 5.0 仕事はできず

 

ピオリ 8.0 素晴らしかったが、スペースがあるナポリ以外にもこの戦術を機能させられるかが重要。非常い面白い、良い戦術なので、ぜひ機能させてほしいが、監督の手腕次第。この戦術を思いついたことは素直に称賛できる。

ジルー 6.5 ポストプレーで貢献

レオン 8.5 怪物の復活。これが続くと良いが

ベナセル 8.0 チームの戦術の核として活躍

ディアス 8.0 ドリブル、パスで素晴らしい活躍を見せた。スペースがない状態でも同じくできるかが今後の鍵(引いた相手でも流動性を担保させられる、監督の手腕による所が大きい話だが)。

トナーリ 8.5 攻守において運動量豊富に大きく貢献

クルニッチ 7.5 攻守において素晴らしいポジショニングと動きで、良いバランスを取っていた

Tエルナンデス 6.5 攻守において安定していた

トモリ 6.5 無失点に抑えた

ケアー 7.0 安定した良い守備をしていた

カラブリア 6.5 クヴァラツケリアにだいぶ翻弄されていたが、安定した守備で貢献

メニャン 7.5 素晴らしいセーブで無失点に抑えた

 

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