2023年4月29日
セリエA第32節
ASローマvsACミラン
監督:モウリーニョ ピオリ
ローマ
3412
エイブラハム ベロッティ
ペッレグリーニ
スピナッツォーラ マティッチ クリスタンテ チェリク
イバニェス クンブラ マンチーニ
パトリシオ
マティッチ、ベロッティがいるだけ救いだが、この3412は機能しないといつになれば気付くのだろうか・・・
機能はしないだろうが、スペースを消して守りに守って、セットプレーや何かしらで得点を取れれば、ワンチャンスあるくらいだろう。
メンバーを見るに、おそらくモウリーニョのことだから、スペースを完全に消して引いて守って、ミランの長所を潰し、攻撃は放り込むつもりだろう。
モウリーニョは、ローマにおいては、守備戦術は良くやっているが、攻撃は首をかしげざるを得ないことをやり続けている。
4231
ジルー
レオン ベナセル ディアス
トナーリ クルニッチ
Tエルナンデス トモリ ケアー カラブリア
メニャン
ようやくリーグ戦でもベストなメンバー、ベナセルの偽トップ下戦術が見れる。
おそらくミランがボールを持って、ローマが守って放り込みをする展開になるだろうから、ミランにとってはやりづらさはある。
ローマ(モウリーニョ)はおそらく引いてスペースを完全に消してくるだろうから、レオンとディアスのスペースをいかに作るかがこの戦術の鍵なため、ピオリは、引いた相手にもこの戦術がしっかり機能させられるところを見せなければいけない。
ベナセルを自由に動かせてボールを捌かせて、ディアス、レオン、トナーリ、Tエルナンデスに前を向いて良い形でボールを持たせる、ベナセルの空けたスペースをディアス、レオンをサイドから中に侵入させるというやり方をしっかり行えば、引いた相手も崩せる。
【0~15分】
ミランはハイラインハイプレスでポゼッション。
ローマはミドル(ロー)ブロックで放り込み。
やはりこういう展開になる。
モウリーニョらしいと言えばらしいが、
ローマは清々しいくらいに放り込んでいく。
トーナメントで格上相手に使用するなら分かるが、ビッグクラブがリーグ戦で、セリエAで行う戦術ではない。
ただ、現状機能する戦術を取れていないローマにとっては、ミラン相手にはまだマシな戦術。
他のチーム相手にもやったりするので、そこが駄目なのだが・・・
この試合においてはそこまでは悪くはない。「そこまでは」だが。もっと良いやり方は当然あるし、まともにやれば非常に強いチームなのだが・・・
ミランのこの戦術は、ボールを持ってくれる、前に出てきてくれるナポリ相手には存分に機能したが、引いてくる相手にも機能させる必要があるため、この試合はピオリの手腕の真価が問われるところである。
戦術の特性を考えれば、間違いなく引いた相手にも通用する戦術ではある。
ミランがずっとボールを持つ展開。
この戦術は引いてくる相手にもやはり機能している。
ベナセルが自由に動いて流動的な攻撃になっている。良い。
これでCFにドリブルのできる流動的な選手がいれば完璧なのだが・・・
ローマは、ベロッティが素晴らしい動きをしているため、まずまずの攻撃にはなっている。
ミラン相手ということもあり、割り切って戦術(放り込み)に迷いがないため、チームとしての動きはいつもの最悪な試合に比べたらマシ。
本当にベロッティとマティッチがいると、チームの機能性が全然違う。
クンブラ→ボヴェ
怪我。クリスタンテをCBに。間違いなく良くなる。クリスタンテはボランチができる選手ではない。
【15~30分】
ミランがずっと攻める。良い崩しを行えている。
Tエルナンデス→レオン→カラブリアで決定機を得るが決められず。
ベナセルが絡み、Tエルナンデス、レオン、ディアスが前を向いて推進力を持ってボールを持った時の破壊力が素晴らしい。
ただ、やはりジルーの所が足りない。
ジルーも悪い選手ではないのだが、戦術には合っていない。
ここがルカクやラウタロやインモービレ、ラスパドーリ、エルマス、Fアンデルソン、ディバラ、スーレのように、一人でもボールを持てる、ドリブルができる、流動的に絡める選手なら完璧である。
そのような選手達なら、よりスペースを作ることができるし、他のメンバーで足りない裏抜けも担える(現状、前線ではレオンしか裏抜けできる選手がいない)。
【30~45分】
ローマは、(不謹慎かもしれないが)怪我の功名により、クリスタンテがCBに下がることによって、普通に繋げるようになったため、放り込みを減らしてショートパスで崩し始める。
また、ボヴェがどんどん前に上がっていくため、マティッチがアンカーのような形になり、疑似的に352のようになっているので、良い。
おそらく狙ってはいないのだろうが、まさに怪我の功名。クリスタンテは攻撃能力がボランチができるレベルにないし、3412は攻撃が機能するわけがないが、352なら機能する。
レジスタになれるマティッチ、動き回れて足元があるボヴェとペッレグリーニの3センターの組み合わせは、352の3センターができるし、ベロッティとエイブラハムは(この試合においては)流動的に動けて前を向いて貰える選手達なので、352の攻撃が成立する。(本来はエルシャーラウィかディバラは必要)
(ペッレグリーニがトップ下の動きをしているため、3412で変えていないが、ボヴェが前に行くため、352に近い形になれている)
守備でも、ボヴェが前に行く気質が高いため、ペッレグリーニが気を使って左に下がるため、守備でも352に近い形になれている。非常に良い。
クリスタンテは、CBも問題なくこなせるくらい守備能力は非常に高いし、パスの単純な精度は普通に高いので、CBをやるなら良い選手。
ミランは、ディアスがボールを持ちすぎていて良くない。ディアスの所で攻撃のリズムが悪くなってしまっている。無理やりなドリブルでボールロストも多い。
ディアスは好不調の波が凄いが、今日は駄目な日らしい。
素直にベナセルかクルニッチにすぐ預けていれば良い攻撃ができるのに勿体ない。
ベナセル、レオン、Tエルナンデス、トナーリが絡む左は良い。
ローマが怪我の功名で疑似352になり機能しだしたため、良い勝負になってきた。
これで勝負が分からなくなった。
(しかし、何度実証されても、モウリーニョは頑なに機能しない戦術、メンバーにこだわる・・・)
352で守られる、攻撃されるとミランは中々厳しい。
前半終了。0-0
ローマが3412で放り込みをしていた時は、ミランが普通に優勢だったが、疑似352に勝手になってからは、どちらが勝つか分からない良い勝負に。
ミランはディアスの個人戦術の部分をどうにかしたいところ。ジルーの所は他に選手がいないから仕方ない。本当はデケテラーレをワントップで育てたいところだが、いきなりはリスキーすぎる。
ローマは逆に修正しないで、このまま疑似352なら良い勝負ができるが、下手に修正してきたらまた機能しなくなる。
戦術は変えずに、エイブラハム→ディバラ、ベロッティ→エルシャーラウィが良い。
【45~60分】
トモリ→ティアウ
怪我。
ベロッティ→エルシャーラウィ
良い交代。
ローマは完全に352に変える。良い判断。
モウリーニョはこういう見る目は本当にあるのだが、機能する戦術をなぜか放棄して継続しないようになってしまったため、そこが残念でならない。
完全に352に変えたなら、ミラン優勢からローマがやや優勢になると思われる。
ミランはレオンという試合を一人で決めることができる化け物がいるから、そこがどうなるか。
ローマはディバラ(前の試合で怪我をしていたため、出さないかもだが)という切り札が残っている。ミランはサーレマーカースくらいしかいないが、ディアスが酷いため、早めに変えた方が良い。
ローマは352になり、明らかに機能している。攻守において見違えるほど良くなっている。それは当然であり、最初からやるべきだし、毎試合352にするべきなのだが・・・
ディアス→サーレマーカース
酷すぎたため。抜群に良いかどうかは置いておいて、ディアスをこのまま引っ張るよりは良い。
【60~75分】
ローマがカウンター、ショートカウンターで次々とチャンスを作っていく。
352はやはり強い。3412とは天地ほどの差がある。
ミランは、逆にローマの攻撃が機能しだしたことにより、カウンターの機会が増えており、レオンが活きてきている。
守備をセットされている時は、352に変わったことにより、中々厳しい。
3412とは違い、352だとトナーリ、クルニッチ、ベナセルが自由にボールを触らせてもらえない。
中盤で刈り取られて、ショートカウンターを受ける機会が増えている。ローマが前半序盤とはまるで違うチームなので、あまり対応できていない。
ただ、前述のようにカウンターは増えているので、そこが光明。
どちらも勝つ可能性のある、戦術も良い白熱した良い試合。
ベナセル→デケテラーレ
えー・・・
ケアー→カルル
????
裏抜けとドリブルのあるエルシャーラウィのケアのためか?
それでも、よほど酷いプレーをしているならまだしも、CBを変えるのはあまり良くない、というか厳禁だが・・・
【75~90分】
ローマの守備が素晴らしい。攻撃も良く機能している。
どこをどう考えてもこの352の形がベスト。モウリーニョは過去の機能した試合は一切忘れてしまうらしいが。(エルシャーラウィ、ベロッティ、ディバラの3トップの343でも構わない)
ミランはベナセルが下がった以上、ポゼッションで崩すのは厳しい。
レオンのカウンター頼みしかない。
ジルー→オリギ
ベンチが貧弱すぎる・・・
ボヴェ→カマラ
ローマが完璧な守備とカウンター、ショートカウンターでチャンスを作り出していく。
ミランは、レオンが一人次元が違うというだけで、チームとしては完全に負けている。
ベナセルも下がり、完全にローマが優勢に。
93分、チェリクが中盤で奪い、そのままドリブルしてエイブラハムにパス。エイブラハムが決める。1-0
352のローマは強い。本当に、352か343をずっと使用するなら楽にCL出場権を獲得できたものを・・・
モウリーニョレベルの組織作り、守備戦術を持つ監督が352を使用したら、強いに決まっている。
96分、パワープレーからレオンの素晴らしいクロスにサーレマーカースが合わせて決める。1-1
ミランがパワープレーで点を取る、ローマが取られるとは思わなかったので、驚き。
試合終了。1-1
ミランにとっては非常に大きい勝ち点1。ローマにとっては手痛い引き分け。
(352となってからの評価)
モウリーニョ - 3412放り込みスタートは絶望しかなかったが、怪我の功名で素晴らしい352となった。偶然すぎて評価できない。機能していると見るや、完全に352に変えた点は素晴らしかった。
エイブラハム 7.0 放り込みや孤立した状態で活きる選手ではないため、352で裏抜けやサイドに流れる役割をさせれば活きる
ベロッティ 7.0 素晴らしい動きで貢献
ペッレグリーニ 7.0 インサイドハーフをやらせれば本当に良い選手
ボヴェ 7.5 ローマのプリマヴェーラは、動き回れて足元があり、パスを的確に捌ける良い中盤の良い選手を次々輩出するが、例にもれずボヴェも良い
スピナッツォーラ 7.5 ディアスを完璧に抑え、左サイドを制圧
マティッチ 7.5 素晴らしいパス捌きを見せた
チェリク 7.0 3412の時はレオンとTエルナンデスにだいぶやられていたが、352になってからは抜群の安定したプレーを見せた
イバニェス 6.0 安定したプレーを見せた
クリスタンテ 7.0 いち早くCBにコンバートしたほうが良い。守備は非常に安定しており、パスもプレッシャーのないCBなら素晴らしい。
マンチーニ 6.5 良いカバーリングをしていた
パトリシオ 5.5 失点シーンは防げれば最高だったが
ピオリ 5.5 ベナセルをトップ下とした4231を継続していることは評価できるが、ディアスの個人戦術の改善、ローマの352への変化への対応はできなかった。何より選手交代が酷すぎた(ベンチが貧弱すぎるが)。
ジルー 5.0 ボールロストが多すぎるし、残念ながら戦術にそこまで合っていない。時折良いプレーを見せるが、全体を通してみると物足りない。
レオン 7.5 良い形でボールを持てる機会こそ少なかったが、持てば一人次元が違った
ベナセル 7.0 ボールを後ろ目やサイドに流れて受けてパスを散らし、トップ下としての役割も果たす良いプレーをしていた
ディアス 5.0 ボールを持ちすぎて流れを悪くし、ボールロストも非常に多かった
トナーリ 6.5 ローマが352となってからはあまり絡めず
クルニッチ 7.0 気の利いたポジショニングで攻撃を円滑にしていた
Tエルナンデス 7.0 攻撃面で大きく貢献
トモリ 6.5 安定していて良かった
ケアー 6.5 安定していて良かった
カラブリア 6.0 安定こそしていたが特別良かったわけではない
メニャン 6.5 セービング機会は少なかったが安定していた