2023年4月30日
セリエA第32節
監督:Sインザーギ サッリ
352
コレア ルカク
ムヒタリアン バレッラ
ディマルコ ブロゾヴィッチ ダルミアン
バストーニ アチェルビ ダンブロージオ
オナナ
ラウタロ、ジェコ、チャルハノール、ドゥンフリースを休ませる。
ラウタロがいなくてコレアなこと以外は非常に良いメンバー(当然シュクリニアルもいるのがベスト)。
433
インモービレ
ザッカーニ Fアンデルソン
Lアルベルト ミリンコヴィッチ
カタルディ
ヒサイ ロマニョーリ カザーレ マルシッチ
プロヴェデル
いつものメンバー。
【0~15分】
ラツィオはハイラインハイプレスでポゼッション。
インテルはミドルブロック&プレスでポゼッション。
お互いが持つ展開だが、ポゼッションの安定感、上手さはラツィオのほうが上。
守備の固さ、タレント力、(ラウタロがいれば)カウンターの強さ、(ラウタロがいれば)ポゼッションでの破壊力はインテルが上。
ラウタロさえいればインテルの方が圧倒的に優勢になるだろうが、いないのは残念。
インテルはブロゾヴィッチのシュート、ディマルコのシュートはプロヴェデルがスーパーセーブ。
ラツィオが上手いポゼッションで攻め、インテルが守る形となるが、インテルも守備は固いし、攻撃もラウタロがいないこと以外はベストに近いメンバーなので、機能している。
ラウタロがいないだけで、後のメンバーは完璧な352ができる組み合わせ。
強力な3センターとルカク、攻撃能力の高い両翼のWBの攻撃は非常に強力。
ラツィオはいつも通り、4バックと強力な3センターが絡みながら繋ぎ、機を見て前線に入れていく良いポゼッション。
お互いが機能している。
ラツィオがゆったりとしたポゼッション、インテルもポゼッションだが、個人能力を活かしたテンポの速い攻撃。
お互いが攻撃が機能しているとなると、より守備の固いインテルが優勢。
(ラツィオも守備はそれなりに固いし、失点数も少ないが、それはポゼッションで押し込んでの守備の固さのため、相手が強いとそこまで守備が良いわけではない)
インテルは352でしっかり中盤中央を閉じて、ラツィオの自慢の3センターを封じる。
全チーム、攻守においてこのインテルの352を見るべき。強い。
(本当に見るべきは10年前のウディネーゼと、それを完璧に模倣したユヴェントスの352だが。Sインザーギはそこそこ良いのだが、コンテ、グイドリンのレベルにはない)
ラツィオは相変わらず安定して良いポゼッションをしていて強く、非常に上手いが、このインテルが相手では厳しい。このインテルは強い。
ただ、インテルは呪われたかのようにゴールが入らないルカクと、能力的にまぁまぁ劣るコレアのため、そこの得点能力不足が不安。
【15~30分】
インテルはダルミアンが右WBというのも大きい。
確かにドゥンフリースは、個人能力は明らかに高いが、チームとして見れば、ポジショニングや動きの質、パスの判断を考えれば、実はダルミアンの方がチームが上手く機能している。
(ドゥンフリースはポジショニングが高すぎる。バレッラやルカクのスペースを逆に消してしまう。ダルミアンは上手く上下を調整してゲーム作りが上手い)
ただ、ドゥンフリースは個人能力、攻撃能力は凄いため、安定感は置いておいて、はまれば非常に強力ではある。
試合はインテルが優勢に進める。
インテルが次々チャンスを作り出していく。
Lアルベルト側の守備が脆いところを、バレッラ、ルカク、ダルミアンが中心となって崩していく。
逆サイドはムヒタリアン、ディマルコというフリーランのスペシャリストが機をうかがって危ないところに顔を出し、ブロゾヴィッチが巧みなゲームメイクでそれらを操る。
ブロゾヴィッチのゲームメイクがえげつない。
25分、ブロゾヴィッチの素晴らしいパスからコレアのクロスにムヒタリアンが合わせて決めるが、ぎりぎりオフサイド。
29分、アチェルビが自陣エリア内でミスでボールを奪われ、そのままFアンデルソンが決める。0-1
勿体ない。
インテルはここ最近は、試合を優勢に進めるし機能もしているが、呪われたかのように決められずに、勿体ない失点で負ける、引き分けるというような試合が続いている。
コッパイタリアとCLで勝ち残っているため、ベストメンバーが毎回組めていないというのが非常に大きい。
【30~45分】
インテルが強い。
ラツィオもいつも通り機能しているし強いのだが、まともに機能させれば、352は反則レベルに圧倒的に強いので、守備でも攻撃でも相手を圧倒できる。
インテルが次々チャンスを作り出すが、決まらない。
今シーズンのインテルは、コンペティションが多く試合数が非常に多いこと、チームの中核であるブロゾヴィッチ、ルカクがW杯もありコンディション不良が続いていたことにより、中々勝ち点が取れていなかったが、ベストメンバーならセリエAナンバー1の陣容のチーム。
ルカク、ブロゾヴィッチが万全で、リーグ戦に集中できていれば、ナポリよりも断然インテルの方が強い。
この試合もラウタロ(とシュクリニアル)さえいれば、完全無欠のメンバー。
ただし、Sインザーギ監督は、選手選考、戦術(何より352を選んでいることが素晴らしい)は良いのだが、組織作りの面や細かい戦術の部分ではコンテやグイドリンには及んでいないことが残念ではある。
しっかり機能するメンバー、組み合わせ、戦術を選んでいるため、十分ではある。
しかし、352の唯一とも言える弱点である、機能するメンバー・組み合わせが限られるため、絶対的なスタメン11人以外の控えの選手が出るとあまり機能しない、という弱点は如実に出ている。これだけ試合数が多いとSインザーギも頑張ってはいるが、その弱点はクリアできていない。
ショートカウンターからインモービレが素晴らしいシュートを打つが、オナナが素晴らしいセーブで防ぐ。
前半終了0-1
どちらも修正の必要はない。素晴らしい白熱した試合。
インテルは当然ラウタロを入れたほうが良いが。ラウタロさえ入れれば勝てる。それくらい圧倒している。
【45~60分】
ダンブロージオ→ドゥンフリース
流れを変えたい、崩している右サイドの攻勢をさらに強めたいという交代だろう。
カタルディ→ベシーノ
怪我。
相変わらずインテルが圧倒する。
ラツィオも変わらず悪いわけではない。
インテルが完璧な352の守備をしてラツィオの生命線の3センターを封殺し、攻撃もラウタロがいない以外は完璧なため、これに抗えるチームは完璧に機能しているミランくらい。
しかし、次々チャンスを作るが、中々決まらない。ラウタロさえいれば・・・としか言いようがない。
ラツィオはカウンターも強力なので、カウンターで沈めたいところ。
CKのこぼれからLアルベルトのシュートはオナナがセーブ。
コレア→ラウタロ
ムヒタリアン→チャルハノール
真打登場。
【60~75分】
ディマルコの良いシュートはプロヴェデルがスーパーセーブ。
インテルが変わらず圧倒するが、まぁ決まらない。プロヴェデルがスーパーセーブを連発しているというのもある。
インモービレ→ペドロ
いつもの交代。
バストーニ→ゴセンス
【75~90分】
ラウタロが入ればこうなる。
変わらずインテルが圧倒。速い攻撃でもルカクとラウタロはボールを持っていけるスペシャルな選手達なので、強い。そこにディマルコ、チャルハノール、バレッラ、ドゥンフリースが飛び出して絡んでいくのだから、止められない。
352は、2トップに独力で持てる、ドリブルできる選手が必要なため、インテルでは、ルカクとラウタロが絶対的な存在になる。
この2トップ、完成された352を止められるチームは中々ない。
追加点も時間の問題か。相変わらず圧倒。
最強で敵なしだったコンテ・ユヴェントスの352、元祖352の圧倒的な強さだったグイドリン・ウディネーゼの352、最強だったコンテ・インテルの352と同じくらい完成度が高い(メンバーとコンディションが整えば)。
82分、ルカクのクロスからゴセンスが決める。2-1
ゴセンス→デフライ
怪我。出てきて即ゴールを決め、即交代。
マルシッチ→ペッレグリーニ
ヒサイ→ラッツァーリ
89分、ラツィオDFのパスミスをラウタロが奪って決める。3-1
本当に、このメンバーさえ万全な状態で揃っていればインテルは敵なし。
ラツィオも2位につけているだけあって当然強いのだが、万全な状態のインテルの強さ、352の強さは比にならない。
セリエAで屈指の陣容を誇るインテルが、最強の戦術である完成された352を使用すれば、敵がいないのは当然。
今シーズンは、このメンバーが揃った試合がほとんどないのが残念でならない。
ラツィオもカウンターと素晴らしいパス回しのポゼッションをするが、インテルの守備が固い。
試合終了3-1
セリエAでナポリと同様に安定した強さを見せる2位ラツィオを圧倒したインテル。
(メンバーがナポリの方が断然上のためナポリの方が強いが、組織の完成度、間違えない選手選考・戦術という点で、その2チームの安定感が高い)
Sインザーギ 7.0 物足りなさはあるが、352を続けていること、メンバー選考も(ターンオーバーを除けば)良く分かっていることは良い
コレア 5.5 そこまで悪くはなかったが、ラウタロと比べると・・・
ルカク 8.0 素晴らしいパフォーマンスを見せた。2アシスト。コンディションは上向き。ただ、やはり得点が取れない。ルカクは絶対に残留させるべきだが果たしてどうなるか。
ムヒタリアン 7.0 素晴らしいスペースへの顔の出し方で攻撃を牽引
バレッラ 7.5 運動量豊富に飛び出しを行い続け、攻撃を牽引
ディマルコ 7.5 素晴らしい飛び出しで攻撃に大きく貢献
ブロゾヴィッチ 8.5 コンディションが戻ってきた。世界でも屈指のレジスタの復活も近いかもしれない
ダルミアン 7.0 WBでも良かったが、CBでも安定していた
バストーニ 7.0 良いプレーだった
アチェルビ 6.0 良かったが、失点シーンのボールロストは最悪だった
ダンブロージオ 5.5 そこまで悪くもなかったが、良くもなく
オナナ 8.0 素晴らしい活躍だった