セリエA第33節 ACミランvsクレモネーゼ -新戦術442の0トップ-

 

2023年5月4日

セリエA第33節

ACミランvsクレモネーゼ

監督:ピオリ バッラルディーニ

 

ミラン

442(0トップ)

   ディアス デケテラーレ

オリギ       サーレマーカース

   ヴランクス ベナセル

バロトゥーレ ティアウ カルル カラブリア

      メニャン

 

大幅にターンオーバー。

19位のクレモネーゼにホームで勝ち点3以外はあり得ないが、果たして。

 

なんと、0トップ、しかも偽9番を二人という奇抜な戦術。非常に面白い。

 

この戦術は非常に面白いし、机上論では間違いなく機能する。

 

やっとデケテラーレを偽9番として使ってくれた。今後もFWで使ってほしいのだが・・・

 

中盤にガンガン降りるディアス、前線の方で起点になれるテクニックのあるデケテラーレ、ゴール前に侵入できるオリギ、動き回って縦に早いサーレマーカースと、(オリギのところは当然レオンのほうが良いが)完璧な組み合わせ。

 

机上論では間違いなく機能するし、おそらく機能すると思うが、どうなるか試合が大変楽しみ。

 

これがあるから、戦術大国、セリエAは本当に面白い。

 

しかし、ターンオーバーしすぎであり、レオン、トナーリ、Tエルナンデス、特にレオンは必要だと思うが・・・

 

クレモネーゼ

4231

      Aギャン

ブオナイウト  ガルダメス  ベナッシ

    メイテ   ピッケル

バスケス ロコシヴィリ キリケシュ セルニコラ

      カルネセッキ

 

【0~15分】

 

クレモネーゼはオーソドックスな442のミドルブロック&プレス。

現代サッカーで、特に戦術大国のセリエAで442のミドルブロックは愚策にもほどがある。

 

442は中盤にスペースがありすぎるし、ライン間を使われやすく、ライン間を使われたらひとたまりもない、言ってしまえば20年前に死滅した戦術(非常にスタンダードで選手はやり易いため、アマチュアレベルなら一番やりやすい戦術だが)。

 

相手の中盤を抑えようとしたらボランチが吊り出され、ぽっかり中盤中央にスペースが空く。相手の中盤を抑えなかったら完全に押し込まれる上に、引いたところで結局バイタルの人数が足りない。どうしようもないフォーメーションと言える。

 

クレモネーゼは攻撃面は4231だが)攻撃面でも、(可変しない限り)442はボランチが上がりづらく、サイドも2トップとダブルボランチがいるため中に行きづらいため、どのポジションもスタート位置からほぼ動けず、流動的な攻撃ができないため、単調で窮屈なサイドアタックを繰り返すだけになってしまう。

 

どうしようもないのは、オーソドックスな442で、442でも、圧倒的なハイラインハイプレスをやり続ける、中盤のプレッシングと球際を非常に激しくする、442とは言っても攻守で可変する、等工夫をすればやれないことはないが、敢えてそこまでして442を使うことがベストなことは稀。

(もしくは、攻守においてレベルの違う圧倒的な選手達が揃っていて、ゴリ押しすればリーグ戦くらいなら何とかなる)

 

今回のミランがまさに流動的な442(0トップ)で、非常に面白いことをやろうとしている。

 

ミランはハイラインハイプレスでポゼッション。攻撃がどうなるか非常に楽しみ。

 

想像通り、ミランのこの442は面白い。機能しそうである。

ディアスが中盤まで降りてゲームメイクに絡み、デケテラーレも中盤まで降りるかポストプレー、オリギは裏抜けを狙い、サーレマーカースはサイドに張って縦突破を狙う。

 

オリギのところがレオン、サーレマーカースのところがFアンデルソンのように中でも仕事ができる選手なら強そう。

続けなくても別に構わないが、デケテラーレのFWは続けるべき。

4231でベナセルがトップ下で、ジルーのところをデケテラーレにするだけで良い。

 

クレモネーゼが弱すぎるというのもあるが・・・

 

ミランがずっとボールを持つ展開。ミランが0トップということもあるが、ライン間を使われすぎである。これは酷い。

 

ミランは戦術が良いし、攻撃の形も良いが、レオン、トナーリ、Tエルナンデスがいないのが痛い。それだけで、戦術は良い。

レオン、Tエルナンデスがいないためドリブル突破できる選手がいないというのが痛い。

また、ヴランクスも悪い選手ではないが、この戦術なら特に、トナーリのように前に行って攻撃に絡める選手が中盤に欲しい。

 

11分、裏に抜けたサーレマーカースが決めるが、オフサイド

 

クレモネーゼは、ただでさえ戦術も守備も酷いのに、ミランが今までと異なる、しかもかなり珍しい2トップの両方が偽9番という戦術を取っているので、だいぶ混乱している。

 

絶対に勝ち点3が必要なため、前半で無得点ならレオンくらいは早めに出したいところ。

 

【15~30分】

 

オリギのシュートはカルネセッキがファインセーブ。

オリギも与えられている役割が、サイドから中央気味に裏抜けするという、足がある程度早ければ誰でも良いというような役割なので、今までと比べて断然良い。もちろんレオンのほうが良いが。

 

あとは、デケテラーレが良い。

やはり、まともな役割さえ与えればジルーよりも断然良いと思うが・・・

 

ただし、ミランも前述のように442の大きな弱点である、守備面はクリアできておらず、だいぶ守備面は怪しい。やはり、守備面も考えたら、デケテラーレ、レオン、ベナセル、ディアスの4231が現状良いだろう。

 

この試合においては、相手がクレモネーゼだから守備面は大丈夫だろうし、ターンオーバーしているこのメンバーなら、この442で良い。

 

デケテラーレがボールを奪ってGKと1対1になるが決められず。

 

相変わらずミランがずっと攻める。

 

クレモネーゼは、機能しないとみるや、たまらず4141のミドルブロックに守備を変える。それは非常に良い判断。442とは守備の固さがまるで違う。

4141なら中盤のスペース、ライン間のスペースを消せる。攻撃面は機能しないだろうが。

(元々4231でも攻撃は機能していないからどうせ変わらない。)

このミラン相手にどこまで守備に集中が持つか、スペースを消し続けることができるか。

 

ミラン視点でいうと、中盤のスペースを消されてしまったので、どう攻略するか。

ディアスとデケテラーレが442なら楽にボールに絡めるが、今度は狭いスペースで絡む必要がある。

 

【30~45分】

 

ミランが変わらず持つが、クレモネーゼが4141に変えたため、序盤の30分に比べて攻めあぐねる。ディアスとデケテラーレが降りて絡むライン間のスペース、ヴランクスとベナセルが前を向ける中盤中央のスペースが消されてしまった。

 

前半終了。0-0

 

クレモネーゼは442の時はあまりにも酷すぎたが、4141に変えたのは素晴らしい判断で、守備は安定した。

ただし、攻撃は機能するわけもない。アウェーでミラン相手だから致し方ないが。

 

ミランは、レオン、Tエルナンデス、トナーリが欲しい。

4141で守備に徹した相手をポゼッションで崩すのは中々難しいが、何とか崩したいところ。

 

【45~60分】

 

ベナセル→クルニッチ

その交代ではあまり変わらないと思うが・・・

欲しいのは前に行ける選手(つまりトナーリ)。

また、レオンが早くほしい。

 

両者特に変えず、試合展開も変わらず。ミランがずっとボールを持つ。

 

ミランは、前半序盤と違い、スペースが消されてしまって、ディアスとデケテラーレがあまり絡めておらず、機能的に完璧に崩すというのはあまりないが、ずっと押し込んではいるので、何とか点は取りたいところ。

 

ブオナイウト→ヴァレリ

ベナッシ→オケレケ

 

カウンターからサーレマーカースの素晴らしいクロスにディアスが無人のゴールにヘディングするだけのところ、外してしまう。

 

オリギ→レオン

デケテラーレ→ジルー

 

ジルーを入れるのはどうだろうか・・・

いつもの4231に変えるのだろうが、ディアスがトップ下の4231はあまり機能しないが・・・

レオンは良い。

 

【60~75分】

 

ミランは4231に変更。

 

早速カウンターからレオンがサイドを突破し、ディアスが決定機を迎えるが決められず。

 

やはりレオンはレベルが違う。期待感がある。442の時に最初からレオンを使っていれば・・・

 

キリケシュ→ギリオーネ

Aギャン→フェッラーリ

 

サーレマーカース→メシアス

ヴランクス→トナーリ

 

【75~90分】

 

76分、ジルーのポストプレー失敗から、ロングボール、オケレケにカルルもティアウも剝がされて(カルルがティアウに突っ込み?)決められる。0-1

 

ほぼ初の決定機で決められる。勿体なさすぎる。二人いるんだからチャレンジ&カバーしてほしかったが、二人チャレンジして躱される。

 

CKが流れてレオンがシュートを打つが決められず。

 

ガルダメス→カスタネッティ

 

93分、メシアスが絶好の位置でFKを獲得し、メシアスのFKをクルニッチが逸らして(?)決める。1-1

 

ピッケルがトナーリに対して肘打ち+殴打で退場。

 

カルネセッキの素晴らしいパントキックからのカウンターで3対2となるが決められず。

 

ミランがパワープレーをするが試合終了。1-1

 

結果、19位にホームで、最後に何とか追いつく、という惨劇。

ただし、戦術は悪くはなかった。流石にターンオーバーをしすぎであったことが問題。

 

クレモネーゼは、何を思ったのか最低の442選択で前半30分は惨状だったが、4141に変える好判断で、良い守りを見せた。攻撃は終わっていたが、アウェーでミラン相手なら致し方ない。

 

ピオリ 6.0 442(0トップ)は非常に面白かったが、流石にターンオーバーしすぎである。オリギのワントップで4231よりは何倍も良いし、ターンオーバーしたこのメンバーなら、4231よりも断然良かった。大変面白かったし、続けて試してみるのも断然ありだが、ベストメンバーならデケテラーレワントップの4231のほうを優先はしてほしい。

オリギ 6.0 悪くはなかったし、CFをやるより全然良かったが、レオンと比べたら・・・

ディアス 6.5 良かったが、いくつかの決定機は決めてほしかったところ

デケテラーレ 6.5 動き、トラップ等は良かったが、変わらずパスに自信の無さが出ているのが・・・。ジルーよりも断然可能性のある選手なので、継続してFWで使ってほしいが・・・

サーレマーカース 6.5 キレのある動きで活躍

ヴランクス 6.0 悪くはないが、この戦術で必要だったのはトナーリのように前い行ける選手(つまり悪いのは監督だが)

ベナセル 6.0 悪くはないが良くもなかった

バロトゥーレ 5.0 スタメンで出れるレベルにない

ティアウ 6.0 クレモネーゼの攻撃は機能するわけもなく、というよりは途中から攻撃はほぼ捨てていたので、イージーな守備しかなかったため、安定していた。しかし、最後の失点が余計

カルル 5.5 最後の失点が余計

カラブリア 7.0 攻守において非常に安定していた

メニャン 6.0 仕事はほぼ無し

 

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