コッパ・イタリア1回戦 ジェノアvsモデナ - グリフォーネの実力は -

ジェノア FW マテオ・レテギ

2023年8月12日

コッパイタリア1回戦

ジェノアvsモデナ

監督:ジラルディーノ Pビアンコ

 

ジェノア

352

  グズムンドソン  レテギ

  トルスビー   フレンドルップ

マルティン   バデリ     ヘフティ

  バスケス ヴォリアッコ ドラグシン

      レアーリ

 

昨シーズンセリエBで10位だったモデナと2位だったジェノアの対戦。

 

ジェノアは2021-2022にセリエBに降格し、1年でセリエAに戻ってきた。

 

イタリア代表FWのレテギ(アルゼンチン出身)、ミランのWGメシアス、ノルウェー代表の中盤トルスビー、元スペインU代表のSBマルティンエンポリで活躍したCBヴィンター、GKレアーリを獲得する等、積極的な補強を行っている。

 

ガスペリーニ監督のもとで学んだ、ユリッチ、モッタ、パッラディーノ監督がセリエAで監督として活躍しており、ジラルディーノ監督もそれに続けるか。

 

メンバー及び並び、352であることを見ると、中盤とDFラインこそ心配だが、残留はできそうであるが、ジラルディーノ監督の実力が見ものである。

 

【0~15分】

 

モデナは4312。4312で352を相手にするのは不可能に近い。相性が悪すぎる。

 

開始早々の30秒、フレンドルップのサイドからのクロスにレテギが上手く合わせて決める。1-0

 

ジェノアはミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

モデナもミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

ジェノアが持つ展開。

1部と2部のため当然力の差は歴然なのだが、モデナはしっかりラインを高く保って良い守備をしているので、ジェノアは繋ぎに苦しむ。

モデナは守備時は433にし、ラインを高く保って綺麗な433のライン守備をする。この試合においての戦術的にはそこまで良いとも思わないが、組織的には悪くない。

 

モデナの守備が中々良いというのもあるが、ジェノアは中盤の構成力に大分不安がある。

補強が必要そう。

 

対して、モデナは4312では、352を崩すのはほぼ不可能。

ジェノアは相手がモデナということもあるだろうが、良い352の守備ができている。「この試合においては」完璧に近い(相手が力の差があるモデナであり、352が非常に得意とする4312のためまだ完全には分からない)。

これがセリエAでもできるなら、守備はある程度保証はされそうだが、攻撃面は改善点が多い。

 

ジェノアは中盤の3センターの繋ぎが全く持って良くないので、中盤にテクニカルな選手がほしいところ。

メシアスをインサイドハーフで使えば解決しそうだが、アンカーもできれば補強がほしい。

 

もしくは、守備はある程度目をつぶって、メシアスを右WGで使って、ガスペリーニ式の343にするか。グズムンドソンは左WGもできそうなので、343もできそうではある。

 

メシアスを右インサイドハーフで、守備は352、攻撃はメシアスを右WG気味にして変則343に近い形が一番強そうである。

その形でもボランチ及びDF陣で一人ずつ補強はほしいか。

 

11分、FKがファーに流れてフリーだったトルスビーが決めるがオフサイド

 

試合展開はモデナがポゼッションをするので、ジェノアが前で嵌めるか、352の中盤中央をしっかり締めた密集した守備で奪い取るかして、ショートカウンターでチャンスを作る形。4312はどうしても中央でボールを運ぶ・攻撃をするので、352相手は本当に厳しい。

 

352相手に4312で挑んでいる時点で万に一つもモデナが勝つことはない。

 

しかし、ショートカウンターの時は良いが、基本的にはジェノアがボールを持つので、ジェノアがポゼッションをしている時は、攻撃に苦しむ。

 

【15~30分】

 

クロスにレテギがヒールでトリッキーなシュートを打つが、モデナGKガニョに防がれる。

 

レテギはセリエAに来てくれたので、セリエAで成長してアッズーリに貢献してほしいものである。スピード、フィジカル、足元の技術があるので、ポテンシャルは相当高い。

 

試合展開は変わらず、モデナは中央をパスで崩そうとするので352の守備の餌食。

また、ジェノアはアンカーのバデリが左右に動いてボールを引き出してゲームを作る動きをし始めたので、ジェノアのポゼッションも最初よりは上手く回り始める。

ジェノアが圧倒する形。

 

モデナは、守備はまだ良いとして、攻撃は全くもって宜しくない。

この試合で勝つにはカウンターかショートカウンターしか方法はないが、細かいパスでの中央突破を試みている。

このレベルの格上、しかも352を相手に中央で細かく繋いでポゼッションをするのは無理がある。

 

29分、モデナのロングボールのカウンターから自陣エリア付近でトルスビーが処理ミスで奪われ、アーリークロスをManconiが頭で決める。1-1

 

モデナは得点を奪うならこういう形。

ジェノアは勿体なかった。

 

【30~45分】

 

モデナがセリエBセリエAとは全く思えないくらい繋ぐので、段々とモデナが持って、ジェノアショートカウンターを狙う展開となる。

モデナはこの試合においてはどうかと思うが、ここまで繋げるのは中々良いサッカーができている。守備も良く、ビアンコが中々良い仕事をしている。しかし、この試合においては、個人能力の差が顕著かつジェノアが352のため、どうしようもない。

 

39分、ジェノアの繋ぎに対してモデナがハイプレスをかけ、GKレアーリの酷いパスからバデリが失い、そのままトレモラーダに決められる。1-2

レアーリはすでに大分足元が怪しいところを見せていたが、やらかしてしまう。

 

ジェノアは開幕前であり、新加入メンバーも多いというのもあるため、完成度は低い。

良くなりそうな、残留できそうな兆しは見られるが。

 

ジェノアは相当良い形でボールを奪えているのだが、中盤のクオリティ不足によりチャンスを活かせない。

中盤3センターのバデリもフレンドルップもトルスビーも上手くないので、中々厳しい。

352をやるには、アンカーにはレジスタが一番だが、よく顔を出して球離れが良くて近くの選手にすぐ繋げる選手でも良い。インサイドハーフには推進力のある選手が必要(片方はパサーでも良い)。

 

レテギもグズムンドソンも独力でドリブル突破するタイプではないので(ボールは持てるためこの組み合わせなら352の2トップもできる)、中盤に推進力、テクニックがないと厳しい。中盤にメシアス及びもう一人ほしい。

 

マルティンのクロスからフレンドルップがボレーをするが、ガニョがスーパーセーブ。

 

CKからバデリが打つが決まらず。

 

48分、グズムンドソンのFKからバスケスが頭で決める。2-2

 

前半終了2-2

 

ジェノアは、2失点はただのミスからで、全く崩されていない。また、アタッキングサードでどんどん奪えているので、あとは攻撃のクオリティなのだが、中盤3センターが良くない。

おびただしい数、中央辺りやアタッキングサードで奪えているのに、チャンスを活かせていない。

 

メシアスをインサイドハーフで上手く使えばある程度解決するが、メシアスは右WGが主戦場なので、ジラルディーノ監督がインサイドハーフで使えるかどうか。

 

また、メシアスを右WGで343も無しではないと思うが、その場合は、右WGのメシアスがボールを預かりドリブルする役、CFのレテギには動き回ってポストプレーとフィニッシュをする役、左WGにひたすら裏抜けする役割がほしいところだが、グズムンドソンは左WGはできるだろうが、テクニック系の選手なので、あまり組み合わせは良くなさそう。監督が上手く調和させれば不可能な選択でもない。

 

また、343だとダブルボランチが不安。守備も不安である。

やはり一番はメシアスを右インサイドハーフで、守備時352、攻撃時は343に近い変則352が良さそうである。

 

そこに行きついて、それを完成させればジラルディーノ監督の手腕も見事なものだと思うが、果たしてどうなるだろうか。

 

ただし、まだ移籍市場が終わっていないので、これから選手を取ってくるなら全く違う話にはなる。

 

この試合においては、メシアスは招集していないので、ハイラインハイプレスにして、もっと早く2トップにボールを入れてショートカウンターとカウンターをメインにした方が良い。

 

グズムンドソンもレテギも前を向いた時の能力が高いので、カウンターで早めにボールを入れてあげれば勝手に崩してくれるし、二人ともそれが合っている。何よりこの中盤で細かい崩しは厳しい。

 

モデナは守備も良いし、攻撃も悪くはないが、流石に力の差がありすぎる中、さらに352と4312の圧倒的相性の悪さで、為す術はない。2-2ではあるが、完全に相手のミスの2得点で、崩したチャンスはおそらく一度もない。

 

【45~60分】

 

ジェノアはハイラインハイプレスに変更。また、中盤が余計なことをせずにすぐにFWに入れて、2トップの個人技を前面に出し、ショートカウンター、カウンターを主軸にする。

素晴らしい采配、修正。理想の修正である。

ジラルディーノ監督は352の研究も良くできていて、非常に良さそう(問題点は中盤の選手のクオリティの問題)。

 

この修正ができて、352の戦術も良く使いこなせている。このレベルで352が使える監督はそこまでいない。ユリッチやモッタ、パッラディーノ、あとはアルゼンチン代表のスカローニもそうだが、戦術革命(352)が起きた2011年付近・以降でセリエAでプレーしていた世代の選手が監督をやるのは非常に良い。

 

(まだ開幕前の1試合、しかもセリエB相手だから早計かもしれないが)

 

ジェノアはGK、CB、中盤、FWに一人ずつくらいそこそこの良い選手が入ってくれば、相当強くなる。

(ディア、ロリエンテ、サクセス、エンゾラ、カストロヴィッリ、ウンティティ、ミレンコヴィッチ、ボンジョルノ辺りのレベルで良い)

 

ジェノアが蹂躙する。グズムンドソンもレテギもずば抜けてドリブルがあるというわけでもないが、前を向いてカウンターができれば二人とも力を出せる。

 

モデナは懲りずに繋ぐ。ロングボール禁止令でも出ているのかというくらいに繋ぐ。セリエBでこれをやるのは良いことだと思うが、ジェノア相手に、352相手にこれは無謀。

 

50分、カウンターからグズムンドソンがドリブル突破して決める。3-2

 

57分、中盤で刈り取って、レテギが素晴らしいターンから決める。4-2

 

レテギはアルゼンチン人らしく、足元の技術、動きながらのトラップの技術、ターン、そしてシュートが非常に上手い。

スピード、フィジカルもあるので、順調に成長してアッズーリのエースになってくれれば非常にありがたい。

 

使い方次第、周り次第、成長次第(つまりは監督次第)でセリエA得点王にもなれるレベルだが、使い方次第、周り次第、成長次第では微妙な選手にもなり得る。

ジェノアの環境、ジラルディーノ監督なら良く成長してくれそうではある。ただし、ジェノアは移籍金が入るならすぐ放出するので、そこが非常に心配。

 

上手く成長すればラウタロ・マルティネスやディエゴ・ミリートクラス、失敗すればボリエッロクラスといったところか。

 

また、ジェノアはポッゼッションにおいても、前半は右から攻めて酷い攻撃をしていたが、マルティン、トルスビーのいる左からの攻撃をメインにし、多少は良くなる。そこまで良いわけでもない。

 

【60~75分】

 

レテギ、グズムンドソンの素晴らしいパスワークでグズムンドソンがシュートを打つが決められない。

 

レテギはこの中では、ちょっとレベルが違うくらい上手い。グズムンドソンも上手くて良い。

レテギはイタリア代表ではマンチーニが全く使いこなせていないから本当に勿体ない。

 

ただ、レテギは非常に上手いが、ワンタッチでポストプレーを頻繁にしているため、どちらかというとグズムンドソンタイプよりも、もっと裏に抜けてくれるスピードタイプの方が合っていそうである。ディア、ロリエンテ、サクセス、エンゾラ辺りとコンビを組めば爆発しそうである。

また、レテギはもっと自分で仕掛けて良いと思うが。

 

ショートカウンター、カウンターをメインにしたので、トルスビー、フレンドルップも活きてくる。バデリもまぁまぁ効いている。ポゼッションの時は見ていられないくらい酷かったが。

ただし、ずっとカウンターだけしているなら最悪良いが、流石にフィジカル系のハードワーカーを並べるのは良くない。

 

試合展開は変わらずモデナが持ち、ジェノアは2点リードとなったため、ある程度引いてミドルブロックに変更し、ショートカウンター、カウンターを狙う。

ジェノアはある程度引いてから、352の形が崩れてしまっており、心配。これでは良い守備ではない。

 

【75~90分】

 

76分、正面のそこまで強くないミドルシュートをレアーリがまたしてもとんでもないところに弾く酷い処理をし、こぼれをガルジューロに決められる(これも取れる)。4-3

流石にレアーリがまずすぎる・・・

 

ジェノア

レテギ→Mコーダ

バデリ→ストロートマン

マルティン→サベッリ

 

ストロートマンは度重なる怪我さえなければ世界的な中盤になれていた超逸材だったが、もう33歳だがどうだろうか。

 

ジェノアは352の形が崩れ、ラインも低くなってしまっており、ただの5バックのカテナチオになってしまっているので、モデナに崩され始める。

それに伴い、中盤で奪えなくなるので、攻撃も終了する。

 

試合終了4-3

 

ジェノアは、失点は全てミスからではあるが、改善点は多い。

①FWが一人ほしい

②中盤にテクニックのある、推進力のある選手がほしい(メシアスをインサイドハーフで解決はする)

③右WB、アンカー、CBもできればほしい

④GKは流石にレアーリではまずそう

⑤守備は良さそうではあるが、終盤は352が完全に崩れていたので、セリエA相手にそうならないか不安

⑥メシアスを上手く使うか、中盤の補強がなければポゼッションが良くなさそう

 

ジラルディーノ 8.0 352を一定以上のレベルで使用しているという時点で評価は非常に高い。ハーフタイムの修正も完璧だった。終盤の352の崩れがあったのが心配だが・・・。果たしてセリエAのチーム相手にもやれるのか、見ものである

グズムンドソン 7.5 テクニックの高さを見せた

レテギ 8.5 新加入で本領発揮とまではいかなかったが、十分ポテンシャルの高さを見せた。使い方次第、周り次第、成長次第(つまりは監督次第)でセリエA得点王にもなれるレベルだが、使い方次第、周り次第、成長次第では微妙な選手にもなり得る。

トルスビー 5.5 クオリティ不足(相方次第では良いと思うが)

フレンドルップ 5.0 クオリティ不足

マルティン 7.0 中々良かった

バデリ 6.0 そこまで良くもなかったが可能性はある

ヘフティ 5.0 クオリティ不足

バスケス 6.0 ほとんど守備機会はなかったが、心配はある

ヴォリアッコ 6.0 ほとんど守備機会はなかったが、心配はある

ドラグシン 6.0 ほとんど守備機会はなかったが、心配はある

レアーリ 4.5 酷かった

 

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