コッパ・イタリア1回戦 エンポリvsチッタデッラ -苦肉の策-

エンポリ MF ラズヴァン・マリン

2023年8月12日

コッパ・イタリア1回戦

エンポリvsチッタデッラ

監督:Pザネッティ ゴリーニ

 

エンポリ

4231

     カプート

ピッコリ  ヘンダーソン   ギャシ

    マリン グラッシ

カカーチェ ルペルト イスマイリ エブエイ

     カプリーレ

 

昨シーズンセリエBで15位だったチッタデッラと、セリエAで14位だったエンポリの対戦。

 

エンポリは、守護神のヴィカーリオ、CBのヴィンター、左SBのパリージ、CHのアクプロ、CHのバンディネッリ、FWのカンビアーギ、FWのサトリアーノ等が抜けている。

特にヴィカーリオとパリージはかなりの実力者だっただけに、痛い。

他もレギュラークラスだったが、何とかはなるだろう。ただ、カンビアーギはただでさえFW陣が全くいないので痛い。

 

対して、補強は、GKカプリーレ、左SBペッツェッラ、CHのFラノッキア、アタッカーにDマルディーニ、ギャシ等である。

 

穴埋めはまずまずできてはいるが、至上命題であったFWの獲得については、ギャシは良い補強だが、もう一人ほしい。(この試合の先発のピッコリ、カプートはセリエAでできるレベルではない。)

できればインサイドハーフももう一人ほしい。

 

ただ、CBレギュラーのルペルト、イスマイリ、ゲームを作れるマリン、若き至宝のバルダンツィが残っており、FWさえ補強できれば昨シーズンより良さそうではある。

 

ヴィカーリオとパリージは、能力は非常に高かったが、GKとSBなので戦術上の影響はそこまでないため、FWさえ補強できれば、といったところ。

 

この試合は絶対的エースかつ戦術の中心である、トップ下の若き至宝のバルダンツィがいないので、全く違うチームだろうが、どうなるだろうか。

 

カリアリフロジノーネセリエB相手に醜態をさらし、ジェノアは圧倒したが、エンポリも流石に圧倒してもらいたいものである。

メンバー、組み合わせを見るとやりたいことは面白そうではある。

 

昨シーズンもメインは4312だが、4231も少し使用しており、今シーズンもバルダンツィがいないこともあってか4231でスタート。

 

ピッコリ(191cmのターゲットマン)を左SH、スペツィアで一定以上の活躍を見せていたFWのギャシを右SHで起用しているのは面白く、これならカプート(動き出しが武器の36歳の大ベテランFW)にデコイをやってもらい、本命はギャシとピッコリのサイドからの突っ込みという、昔の0トップローマに似たやり方が予想される。ヘンダーソンボランチ系の選手なのでトップ下でバランスを取るのだろう。

 

ピッコリ(大きいだけ)とカプート(年齢もあり身体能力が低すぎる)はこの二人で2トップをやるなら地獄だが、この使い方なら何とかなりそうではある。

 

本当にそれでやるなら面白いが、あくまで苦肉の策であって、カプートとピッコリは違う選手の方が良いし、バルダンツィが戻ってきたら4312の方が良いだろう。

 

【0~15分】

 

チッタデッラは4312でミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

エンポリもミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

7分、クロスをピッコリがフィジカルを活かしてエリア内でキープし、カプートが決める。1-0

早速やりたい形での得点だろう。

 

リードされたのでチッタデッラはハイラインハイプレスでショートカウンターを仕掛ける。

 

エンポリ、Pザネッティは予想通りのことをやってくれる。

カプートは中央でゴールを狙い続けてデコイにもなり、ギャシ、ピッコリが中に入ってゴールを狙う。ヘンダーソンはバランスを取り、マリンが操る。

中々面白い。

 

FWの補強がギャシだけで心配していたが、まさかこのような答えを用意しているとは思わなかった。Pザネッティは本当に良い監督である。

 

カプートとピッコリをスタメンに入れてここまでできる、活かせる監督はそうそういない。

カプートを1トップ、ピッコリをサイドで使うという発想が普通じゃ出てこない。

 

ただ、特別強いかと言われればそうではなく、元々の戦力が酷すぎるだけに、ここまでやれるのは素晴らしい。ここにバルダンツィが加わればさらに面白い。

しかし、FWの補強が必須ということに変わりはない。「ピッコリとカプートで騙し騙しやる」ならこれで良いが、その二人ではない方が当然良いに決まっている。

また、バルダンツィがいるなら4312の方が強いだろう。

 

【15~30分】

 

試合はエンポリがある程度引き、カウンターを狙う展開。

エンポリ優勢。

 

ヘンダーソンが裏に抜け出すが決められない。

 

エンポリはギャシとピッコリの左右、マリンとグラッシの左右を入れ替える。

ある程度柔軟に入れ替えるつもりだろう。

 

10分後くらいにギャシとピッコリの左右を戻す。全くタイプが違うため、このポジションチェンジは効果的。

 

【30~45分】

 

試合展開はチッタデッラが持ち、エンポリがカウンターを狙うで変わらず。

セリエB相手にここまでボールを保持されるのもどうかとは思うが、狙い通りだからまぁ良いのだろう。

 

バルダンツィもいないので、圧倒するのは難しそう。

バルダンツィがいないと、前線に個人技が皆無のため、仕方ない。

 

エンポリはポゼッション時にマリンが相当良いパスを供給し続けているが、バルダンツィがいないので、バイタルで良い形でボールが渡っても個人技がないのでそういう崩しはそこまで期待できない。

 

バルダンツィが戻ってきて、FWも補強できれば相当やれそうではある。

 

前半終了1-0

 

エンポリは、ギャシとピッコリをもっと思いっきり中に入れて良い。サイドで何かできる選手達ではないので、もっとはっきりさせて良い。

また、実力差は流石にエンポリの戦力とはいえあるので、ハイラインハイプレスでも良いと思うが。

 

相変わらず、ルペルト、イスマイリ、マリン、ギャシ以外は相当怪しいレベルであるが、戦術や選手の組み合わせ(ちゃんと特徴のある選手を獲ってきている)でしっかりやれているので、エンポリというクラブ、Pザネッティ監督は素晴らしい。

 

ルペルト、マリン、バルダンツィは引く手数多だろうに、残ってくれているのは非常にありがたいし、ギャシは良く連れてきてくれた。

 

あとはダニエル・マルディーニやフィリッポ・ラノッキアが上手くフィット・成長してくれれば良いが。

 

しかし、やれているとは言っても、セリエAで通用する戦術かと言えば、あまり良くなさそう。守勢に回った時に、ピッコリやギャシにどんどん飛び出す体力が残らないだろう。

 

しかしまぁコッパ・イタリアとは言え、お客さんが入っていなさすぎだが・・・

 

【45~60分】

 

試合展開は変わらず、エンポリはリトリートして、カウンターを狙う。

 

エンポリ

エブエイ→ペッツェッラ

マリン→ハース

 

マリンを下げてしまったらまずいのでは・・・

 

マリンが下がったこと+リトリートしていること+疲れで、両サイドのピッコリもギャシも当初の役割が全くできていなく、全く上手くいかなくなる。

 

【60~75分】

 

61分、クロスを相手FWが空振り、そのまま入る。1-1

GKのカプリーレはその対応はまずい。セリエAのGKとしてそれは絶対にやってはいけない。

 

こうなるといよいよもってマリンを下げてしまったので、まずい。

エンポリの戦力でコッパ・イタリアを勝ち抜くのは不可能で、むしろ早く敗退したいくらいなので、調整くらいにしか思っていないだろうが。

 

追いつかれたのでエンポリがボールを保持して攻めるようになるが、マリンもバルダンツィもいないので、厳しい。

疲れ及びパス回しが上手くいかなくなったので、普通の4231になるが、そうなるとカプートとピッコリセリエBが相手だろうが通じるレベルではない。

 

エンポリ

ヘンダーソン→シュペンディ

カカーチェ→ストヤノヴィッチ

 

(スタメンもだが)ベンチが本当にセリエAのチームかと疑うくらいに惨状。

あとはチッタデッラが攻守において中々良い。

 

【75~90分】

 

80分、クロスから頭でチッタデッラが決める。1-2

 

エンポリ

ギャシ→エコング

 

90分、ハンドでチッタデッラにPK、しかし、カプリーレがセーブ。

 

試合終了。1-2

 

エンポリは、セリエBに負ける形となったが、チームの完成度は別に悪くない。

バルダンツィが戻ってくれば何とかなる。それでもFWの補強は至上命題だが・・・

また、この4231もそこまで悪くはないが、バルダンツィが復帰したら4312に戻した方が良い。それでもFWの補強が必須なことに変わりはない。

 

Pザネッティ 6.5 面白いことはしていたが、流石にカプートとピッコリを使うのはどうなのかと

カプート 5.5 面白くはあったが、流石にもう通用するレベルじゃない

ピッコリ 5.5 面白くはあったが、通用するレベルじゃない

ヘンダーソン 5.5 頑張ってはいたがクオリティ不足

ギャシ 6.0 途中からは守備に追われて本領は発揮できず

マリン 7.5 上手くゲームメイクしていた

グラッシ 5.5 頑張ってはいたがクオリティ不足

カカーチェ 6.0 そこまで悪くもなかったがペッツェッラの方が良いとは思う

ルペルト 6.5 守備の柱として活躍

イスマイリ 6.0 まずまず安定

エブエイ 5.5 可もなく不可もなく

カプリーレ 5.5 その他はまずまずだったが、1失点目が最悪だった

 

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