セリエA第1節 ジェノアvsフィオレンティーナ -崩壊のグリフォーネ-

フィオレンティーナ FW  ムバラ・エンゾラ

2023年8月19日

セリエA第1節

ジェノアvsフィオレンティーナ

監督:ジラルディーノ イタリアーノ

 

ジェノア

352

   グズムンドソン レテギ

   トルスビー フレンドルップ

マルティン     バデリ    ヘフティ

  ドラグシン バーニ ビラスキ

      マルティネス

 

フィオレンティーナ

4231

      エンゾラ

ブレカロ ボナヴェントゥーラ Nゴンサレス

   マンドラゴラ アルトゥール

ビラーギ ラニエリ ミレンコヴィッチ カヨデ

     テッラッチャーノ

 

ジェノアは昇格組だが、イタリア代表FWのレテギ(アルゼンチン出身)、ミランのWGメシアス、ノルウェー代表の中盤トルスビー、元スペインU代表のSBマルティンエンポリで活躍したCBヴィンター、GKレアーリを獲得する等、積極的な補強を行っているが、中盤の補強は必須。FWもほしい。

 

フィオレンティーナは、主力で言えばCBのイゴール、CFのカブラルが移籍。その他にも控え選手が多く移籍。

代わりに、スペツィアの大エースだったCFエンゾラ、MFアルトゥール、左SBパリージ,

CBのジェリー・ミナ等を獲得。

戦力は間違いなく大幅に上がっている。

 

特に、エンゾラの加入は非常に大きい。カブラルは物足りなかったので、ワントップで抜群の能力を発揮するエンゾラ(フィジカル、スピード、テクニックが揃っている)の加入は非常に大きい。

 

今のところ、昨シーズンの主力がほぼ残っており、そこに新戦力が上積みされた形。良い補強ができていると言えるだろう。

 

ただし、控えが相当豪華であり、戦力の整理はこれからあるかもしれない。

 

この試合で言うと、CBのクアルタ、SBのドドとパリージ、ボランチのダンカンとアムラバトがベンチ。ベンチ外でCBミナ、CHのカストロヴィッリ、WGのイコネがおり、豪華にもほどがある。

 

4231ではなく433で良くないか感は強いが、悪いわけではない。4231とは言っても、普通の4231ではなく、超攻撃的で、ボランチ不在でトップ下のボナヴェントゥーラも自由に動き回るスタンダードな4231ではない布陣であり、やっていることは面白くはある。

強力なチーム相手にどう守るのかという話はあるのだが、やっているサッカーは面白い。

 

また、昨シーズンのナポリラツィオと同様、「ずっと押し込んでボールをポゼッションして守備機会を大幅に削り、相手を疲れさせる、前に出てこられなくすれば、守備も陣形・戦術・選手によらず失点は少ない」理論で相手によっては何とかはなる。

 

433にすれば、攻撃は同じことができて、守備も良くなるから、433にしない理由がほとんど感じられないが。

 

【0~15分】

 

フィオレンティーナはハイラインハイプレスでポゼッション。後ろから丁寧に繋ぐ、昨シーズンと同じ。

 

ジェノアはハイラインハイプレスでショートカウンター狙い。立ち上がりということもあってか、守備が良くない。広がりすぎだし、プレスに行き過ぎである。

 

これでは352の守備の良さは出ない。フィオレンティーナが横に幅を相当広く取って戦っているというのもあるが、ジェノアがそれに付き合って(プレスに行き)、自ら守備の陣形を広げてしまい、352の特徴である中盤の密集というのが全くできていない。

 

スライドも全くできていなく、スペースがありすぎる。これは酷い。

 

352でハイラインハイプレスはできなくはないが、相手を選ばなければいけないし、やるにしてもスライドやラインの押し上げで中盤に蓋はしなければいけないし、やるなら徹底的にプレスしなければいけないが、ジェノアはプレスも中途半端で、スライドもできていなく、ラインも保てていなく、何もできていない。

 

フィオレンティーナは超攻撃的布陣で全員足元が上手く、ダブルボランチというよりはダブルセンターハーフの守備は知らんという戦術なので、それを相手にジェノアレベルでハイラインハイプレスを仕掛けても、躱されてボコボコにされるのがオチである。

 

5分、エンゾラのポストプレーから、ビラーギがドリブル突破から決める。0-1

 

ジェノアは守備の個人能力も低い。

 

11分、華麗な崩しからNゴンザレスのミドルのポストの跳ね返りをボナヴェントゥーラが押し込む。0-2

 

フィオレンティーナはエンゾラの加入が本当に大きいし、アルトゥールが入り、ブレカロも復活すれば、中々強い(ブレカロが復活しなくてもイコネがいる)。中々強いが、433の方が強いと思うが・・・

 

ジェノアジラルディーノ監督は、ホームだし、フィオレンティーナにずっとポゼッションされてもジリ貧だから、思い切ってハイラインハイプレスで行ったのかと予想されるが、完全に失敗している。

この守備の完成度でフィオレンティーナ相手にハイラインハイプレスは厳しい。

 

【15~30分】

 

フィオレンティーナがずっと持つ。

ジェノアはあまりにも選手間が広がりすぎている。ここまで広がってしまっているチームは中々見れない。こんな守備で守れるわけがない。

 

もちろん、フィオレンティーナが非常に上手いというのもある。

 

フィオレンティーナは、相手が強い場合(守備が良い場合)や、守備面を考えたら433の方が良いと思うが、この超攻撃的4231も面白いし、エンゾラとアルトゥールが加わったことにより、本当にスカッドで言えば相当強いので、期待は大きい。

 

【30~45分】

 

フィオレンティーナがずっと持つ。

ジェノアは攻撃しようにも、中盤に構成力がなさすぎて攻撃にならない。この中盤では話にならない。

 

40分、ビラーギのコーナーからNゴンサレスが頭で決める。0-3

 

前半終了。0-3

 

フィオレンティーナが良いというのもあるが、ジェノアが酷い。中盤の補強は本当に必須。レテギの相棒になれるFWもほしい。

 

グズムンドソン(テクニックのある細かいドリブラー)は悪くはないが、352の2トップにおいては、レテギとの相性はそこまで良くない。また、レテギもグズムンドソンも周りを活かすプレーが多いので、中盤にもっとテクニックがあって近くにいてくれる攻撃性能が高い中盤でないと厳しい。

 

これでは、カウンターもポゼッションも機能しない。

メシアスを中盤に組み込んで352(攻撃時は343気味の変則352)を機能させるか、グズムンドソンとメシアスの両方を中盤に組み込んでの352か、中盤の補強をして352か、FWの補強をして352か、フォーメーション自体を変えなければ厳しい。

 

【45~60分】

 

試合展開は変わらず。一方的な試合。

 

56分、華麗なポゼッションからボナヴェントゥーラの素晴らしいパスにマンドラゴラが頭で合わせて決める。0-4

 

58分、コーナー後の混戦からビラスキが決める。1-4

 

ジェノア

バデリ→ヤギェウォ

マルティン→エクバン

ヘフティ→バスケス

 

ジェノアは4312に変更。

 

ジェノアは、このまま中盤やFWの補強がない、もしくは352で上手くいかないなら、343や433、4312に変更するということを考えなければいけない。

 

【60~75分】

 

ジェノアの4312は中々良い。

グズムンドソンが完全にトップ下タイプで、レテギも一人で何かするタイプじゃないので、その二人の352での2トップは(中盤次第であはるが)微妙であり、何より中盤が運べなさすぎるので、グズムンドソンがトップ下に入るとまぁまぁ解消される。

 

フィオレンティーナが、相手が大幅に変わったことで、守備が混乱しているというのもあるだろう。

 

このまま中盤の補強もFWの補強もないなら、352は諦めた方が良いのかもしれない。

確かに352は非常に強力な戦術だが、だからといって何でもかんでも352にすれば良いわけではなく、352をやれる選手がいなければできないし(他の戦術も同じことは言えるが、特に352はメンバー選考、メンバーの組み合わせを失敗すると全く機能しない)、難しい戦術でもある。

 

何より、ジェノアのこの中盤の3センターと2トップでは、補強がないと厳しい。

あと何試合かやってみて良いとは思うが。

 

4312でエンポリ並に組織できるなら、エンポリよりは所属選手が強いので、残留はできる。

 

フィオレンティーナ

Nゴンサレス→ソッティル

 

打って変わって、ジェノアが4312で押し始める。

 

【75~90分】

 

変わらずジェノアが攻勢に出る。

グズムンドソンのトップ下が良いし、フィオレンティーナは攻撃は良いのだが、4231のため守備が良くない。もちろん、もう勝ちは決定しているというのもあるだろうが。

 

フィオレンティーナ

カヨデ→ドド

マンドラゴラ→ダンカン

エンゾラ→ベルトラン

 

ジェノアがコーナーからレテギのヘッドで決定機を迎えるがテッラッチャーノがセーブ。

 

フィオレンティーナ

ボナヴェントゥーラ→インファンティー

 

試合終了1-4

 

ジェノア

ジラルディーノ 4.5 352の時は最悪だった。4312の時は良かった。このまま補強がないなら戦術変更も考えなければいけない。

グズムンドソン 5.0 352の時は良くなかった。本人のせいでもないが。4312のトップ下の時は良かった

レテギ 5.0 本人のせいではないが孤立しすぎて良くなかった

トルスビー 5.0 ボール運びが一切できなかった

フレンドルップ 4.5 ボール運びが一切できなかった

マルティン 5.0 ボール運びが一切できなかった

バデリ 5.0 ボール運びが一切できなかった

ヘフティ 4.5 ボール運びが一切できなかった

ドラグシン 5.0 ボコボコにやられた

バーニ 5.0 ボコボコにやられた

ビラスキ 5.0 ボコボコにやられた

マルティネス 5.0 ボコボコにやられた

 

フィオレンティーナ

イタリアーノ 7.0 433で良くないか感は強いが、昨シーズン終盤から引き続き、良いチームになっている

エンゾラ 7.5 動き回りながらボールを引き出し、キープし、ポストプレーで大きく貢献

ブレカロ 6.0 悪くはなかったが

ボナヴェントゥーラ 7.5 自由自在なポジショニングで繋ぎ・崩しで中核を担った

Nゴンサレス 7.0 右サイドで躍動

マンドラゴラ 8.0 素晴らしいパスの散らしだった

アルトゥール 8.0 テクニックの高さで素晴らしいパフォーマンスを見せた

ビラーギ 8.0 作り、上がってのクロス、得点、セットプレーと大暴れだった

ラニエリ 6.5 出番なし

ミレンコヴィッチ 6.5 出番なし

カヨデ 7.0 19歳のプリマヴェーラ上がりのUイタリア代表だが、堂々と良いプレーをしていた

テッラッチャーノ 6.0 出番はほぼなし

 

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