セリエA第1節 フロジノーネvsナポリ -昨シーズン王者の出来は~-

ナポリ MF ピオトル・ジエリンスキ

2023年8月19日

セリエA第1節

フロジノーネvsナポリ

監督:ディ・フランチェスコ Rガルシア

 

フロジノーネ

433

       チュニ

 カーゾ         バエス

   ハルイ     ジェッリ

      マッツィテッリ

マルキッツァ Sロマニョーリ モンテリージ オヨノ

       トゥラーティ

 

コッパイタリアからCFがチュニに変わっただけ。

 

ナポリ

433

      オシメン

ラスパドーリ        ポリターノ

   ジエリンスキ  カユステ

      ロボツカ

オリベラ Jジェズス ラフマニ ディロレンツォ

       メレト

 

昨シーズンからほぼ変わらずだが、新加入のカユステがスタメンでクヴァラツケリアがベンチ外。あとはマリオ・ルイもベンチ。

 

 

フロジノーネは良い補強はあまりできていない。戦力が中々厳しい。

 

ナポリは、CBのキム・ミンジェとCHのエンドンベレが退団したくらいで、新加入はCBのナタンとCHのカユステ。

そこまで痛くないので、昨シーズンとほぼ同じ戦力で臨める形になる。

 

キム・ミンジェの退団は痛いが、戦術上、他の主力(クヴァラツケリアやジエリンスキやロボツカ)がいなくなるよりはマシ。

 

一番変わったことと言えば、監督のスパレッティが退団したことか。

昨シーズンほぼそのままの戦力で臨めるので、ガルシア監督の手腕が問われる。

 

優勝こそしたが、昨シーズンもずば抜けて強かったというよりは、安定していたということと、ライバルチームが軒並み駄目だったことが大きい。そこまで強かったかと言われるとそうでもない。

監督も変わったことにより、個人的には優勝候補ではない。

 

それでも、スパレッティも別に特別なことをしていたかと言えばそうではなく、ほぼ選手に自由にやらせるという感じだったので、ガルシア監督が変にいじらなければ、勝手に強い。

 

ロボツカ、ジエリンスキ、クヴァラツケリアがいて、他のメンバーも変にいじらなければ、勝手に上手くやってくれる。

 

【0~15分】

 

開始3分で不安になるくらい、ナポリは攻撃も守備も明らかに良くない。

 

昨シーズンのナポリは、攻撃は、執拗なまでにポゼッションをし、両WGの個人技及びそこにジエリンスキやアンギサ等が絡んで崩すというもの。

 

守備は、執拗なまでのポゼッションで押し込みに押し込みまくって、ハイラインハイプレスで守備をして、「ずっとボールを持っていれば守備機会が圧倒的に減り、押し込んでいるため相手は攻撃の人数も少なく、プレスでロングボールを蹴らせて回収を繰り返し、相手は疲れてさらに攻撃に上がれなくなるので、失点は少なくなる」を地で行くチームであった。

 

しかし、ここまでは、ナポリはポゼッションが上手くいかない。

 

5分、ナポリは良くない攻撃→ずるずる下がるまずい守備からコーナーになり、そのコーナーでカユステが倒してPK。ハルイが決める。0-1

 

ナポリはビルドアップが全く上手くいかず、押し込めないなら、地の守備力は高くないので、守備も当然良くなくなる。

 

フロジノーネは4141でミドルブロック&プレスでカウンターやショートカウンターを狙う。ポゼッションもする。

 

4141は相手の中盤中央を良く見れるので、ナポリ対策とは良く噛み合う。ナポリを抑えるには、とにかくジエリンスキとロボツカを徹底的に潰すこと、良い形でボールを触らせないことが重要。

 

そこまで良い守備にも見えないが、ナポリが良くない。

 

インサイドハーフが、アンギサではなくカユステなのが大きく歯車が狂っている。

 

カユステが全く良くないというのもあるが、アンギサはテクニックが非常に高いというわけではないが、とにかく動き回って縦横無尽に色々なところに顔を出して、ボールを持っても余計なことは一切せずにすぐに叩き、ロボツカとジエリンスキを助ける、流動的な攻撃にするという良い役割を果たしていた。カユステは全くできていない。新加入というのも大きいか。

 

ナポリはハイラインハイプレスではなく、ハイブロックの守備と、ミドルブロックの守備。

そこまで良くない。プレスが弱いし、一度ハイブロックを抜かれると、ずるずる下がる。

別に昨シーズンも大して守備は良くなかったが(昨シーズンの最少失点チームだが)、それより少し悪いように見える。

 

ただし、この試合においては、守備の悪さはどちらかというと、攻撃が上手くいっていないというのが大きい。ナポリは押し込めなければ良い守備はできない。

 

攻撃は、やはり後ろで作れる左SBのMルイ、サイドでドリブルでボールを運べる・崩せる左WGのクヴァラツケリア、縦横無尽に駆け回って中盤の潤滑油になる右インサイドハーフのアンギサがいないことが大きい。

 

単純に左SBはオリベラよりMルイの方が良い(特に作りの面が全く違う)し、上述のように右インサイドハーフのカユステも絶対にアンギサにしたほうが良い。

 

ラスパドーリは非常に良い選手だが、ここまで繋げないなら、無理やり運べる・崩せるクヴァラツケリアがいたほうが助かる。中央でしっかりパスワークができているならラスパドーリで十分やれる。

 

余計なことをせずに、昨シーズンの継続で、アンギサとMルイを使えば上手く回るとは思う。

 

【15~30分】

 

ナポリは、フロジノーネの中盤中央を固めた守備により、ロボツカとジエリンスキが活きていなく、攻撃手段がない。

 

こうなるとドリブルでボールを運べる・崩せるクヴァラツケリアがいないのはやはり痛い。

 

また、ナポリがあまり良くないというのもあるが、昨シーズンからずっとそうではあるが、「ロボツカとジエリンスキさえ抑えれば、つまりは中盤中央さえ固く閉じればナポリは大して強くない」というのが痛い。

 

そうは言っても、ナポリも崩せない、ポゼッションが上手くいっていないなら、探り探り変えていくので、そう単純な話でもない。

ジエリンスキとロボツカは非常に頭の良い選手なので、その辺りも上手い。

 

また、格下のチームが90分守り切れるかと言ったら難しいので、ナポリ対策ができている強豪チームはナポリに勝ち、それ以外は負けていく、というのが昨シーズンであった。

 

24分、カウンターの混戦からポリターノが決める。1-1

GKのトゥラーティは流石にそれは取らないと駄目だと思うが・・・

 

【30~45分】

 

ナポリは段々昨シーズンと同じような攻撃になってくる。

ロボツカとジエリンスキがポジショニングを修正し、上手くパスを回していく。

 

クヴァラツケリアとMルイが入って、アンギサも入れば、昨シーズンと同じくらいにはなりそうである。守備のラインが少し低いのが気になるが。

 

41分、ショートカウンターから、ディロレンツォのパスをオシメンが決める。1-2

 

フロジノーネは「普通に弱い」という感じか。

メンバーもメンバーなので、まぁそうだろうな、という感じ。

相手がナポリで、実力差がありすぎるため、この一戦だけでは判断が難しいが。

 

ここまでの印象では、凄く悪いというわけでもないが、決して良くはないくらい。

セリエBで優勝しただけあって、足元の技術は中々ある。

 

フロジノーネがリードされてプレスを強めたことにより、ロボツカとジエリンスキが華麗に相手の中盤のプレスを躱して、中盤中央をこじ開けて、スペースを使っていく。

 

ナポリに中盤中央を使われ始めたら、どんどんやられる。

 

このフロジノーネがそうかはまだ早計だが、今のところは、ディ・フランチェスコ監督らしく、攻撃は普通のあまり特筆すべきことがない433で、守備はあまり良くない。

 

前半終了1-2

 

ナポリは、メンバーが元に戻れば、昨シーズンと同じことはできそうである。優勝できるかは置いておいて。

 

【45~60分】

 

ナポリ

カユステ→アンギサ

当然の交代。

 

ナポリはアンギサが入ることにより、明らかに良くなる。

中盤が流動的になり、昨シーズンの華麗なパスワークが戻ってきた。

 

フロジノーネの守備があまり良くないというのもあり、ナポリがボコボコにしていく。

フロジノーネは中途半端なプレス(プレスというよりは前に行きすぎ)で躱されて、中盤中央を使われて、スペースを突かれて下がりながらの守備になってしまっている。

 

フロジノーネは、アンギサがいなく、ナポリの中盤にあまり動きがなかった時は良かったが、ナポリが流動的になってからは、全く対応できていない。

 

選手を4141で配置して、ハイブロックのような形をとっているが、動き(守備を崩す)があまりないので、ナポリが流動的になると、どんどん中盤の間を通される。

中途半端に前に行っているので、前に行くならプレスをしなければいけないし、プレスをしないならもう少し中盤を下げるべき。

 

エスのFKはポスト。

 

ナポリはラインが少し低い、プレスも弱い・頻度が少ないのが、気になる。待ち構えても守備が良いチームではないが。

 

【60~75分】

 

フロジノーネ

チュニ→ボレッリ

カーゾ→クヴェルナーゼ

 

ナポリが優勢に進める。どんどん崩していく。華麗なパスワークに戻ったので、ラスパドーリが躍動。

 

フロジノーネ

マッツィテッリ→ブレシャニーニ

エス→カノット

 

【75~90分】

 

ナポリ

ポリターノ→エルマス

オリベラ→Mルイ

 

79分、オシメンが裏に抜け出して決める。1-3

 

ナポリ

オシメン→シメオネ

 

シメオネが早速2回チャンスを迎えるが決まらず。

 

フロジノーネ

ハルイ→バレネチェア

 

ナポリ

ロボツカ→オスティガルド

 

試合終了

フロジノーネ1-3ナポリ

 

ナポリ

Rガルシア 5.0 前半序盤は最悪だったが、徐々に昨シーズンのナポリに戻り、アンギサ投入で完全に昨シーズンのナポリに戻る。守備の不安と、これから自身の色を出して変にいじっていくなら分からないが、変にいじらないならある程度の強さは保証される

オシメン 7.5 自身の役割のフィニッシュの部分で、2得点で結果を出す

ラスパドーリ 7.0 前半はチームが上手くいっていなく、そもそもパスが来ないので消えていたが、後半からは持ち味のテクニックで、ドリブルとパスで相手を翻弄

ポリターノ 6.5 ボールの受けどころとして、及びドリブルで活躍

ジエリンスキ 8.0 別格の上手さでスペースで受けてパスで崩してをやり続ける

カユステ 4.0 新加入ということもあってか、全くもって良くなかった

ロボツカ 7.5 前半こそ潰されていたが、アンギサが入ってからはゲームメイクで大暴れ

オリベラ 5.5 可もなく不可もなく。可もなく不可もなくなことがナポリにおいてはあまり良くないのだが

Jジェズス 5.5 良くはなかった。後半からは良かった。

ラフマニ 5.5 良くはなかった。後半からは良かった。

ディロレンツォ 6.0 格別に良くもなかったが、安定

メレト 6.0 良くはなかった

 

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