セリエA第30節 ASローマvsウディネーゼ -モウリーニョの超戦術-

2023年3月16日

セリエA第30節

ASローマvsウディネーゼ

監督:モウリーニョ ソッティル

 

ローマ

3511

      ベロッティ

     ペッレグリーニ

  ワイナルドゥム   ボヴェ

エルシャーラウィ  クリスタンテ    チェリク

  ジョレンテ スモーリング マンチーニ

      パトリシオ

 

ディバラはベンチ外。

チェリクが復帰。地味に大きい。

 

マティッチを使わない意味は分からないが、なんと、やっと352(3511)を選択。

やっとか、といったところ。

 

352なら尚良いが、3センターにしているだけ3412よりは断然良い。

これも戦術を毎回変えるモウリーニョなため、今回限りな気もするが・・・

 

ウディネーゼ

352

  サクセス   ペレイラ

  ロヴリッチ サマルジッチ

ウドジェ  ワラシ   エヒジブエ

  ペレス ビヨル ベカン

    シルヴェストリ

 

ベトがベンチ外でペレイラを前線に。それ以外はいつもと同じ。

ベトがいないこと、変わりがペレイラなのは厳しい。

 

【0~15分】

 

ウディネーゼはミドルブロック&プレスでカウンターを狙う。

 

ローマはミドルブロック&プレスでポゼッション。

 

ローマは守備時は352(3511)だが、攻撃は3331のような形。インサイドハーフをトップ下のように上げて、トップ下と並んで、ベロッティの下、もしくはベロッティを追い越して、流動的に3人入るというイメージ。

ユーヴェの3511は、単純に352のFWを削ってトップ下に変えただけの最悪なものだが、この3511なら攻撃の人数も確保でき、スペースも生み出せる。

 

想像以上に良い。

 

352のほうがどの相手に対しても安定はするとは思うが、3412よりは何倍も良いことは間違いない。

 

ローマがボールを持つが、ローマはマティッチがいないことが非常に残念である。

あとは、ディバラもいないことも厳しい。

 

戦術及び組み合わせ(マティッチがいないことを除く)は良いだけに、惜しい。

 

ここにマティッチ、ディバラがいればより面白いサッカーが見れそうである。

 

戦術としては、ベロッティを頂点として、ペッレグリーニ、ワイナルドゥム、ボヴェ、エルシャーラウィが流動的に動き回って絡んでいく形になる。

 

ベロッティはポストプレーやスペースメイクができる選手で、あとの4人は動き回って、飛び出してボールに絡むことができる選手なため、戦術としては良い。

 

クリスタンテ→マティッチ、ボヴェ(ワイナルドゥム)→ペッレグリーニ、ペッレグリーニ→ディバラなら単純にクオリティが格段に上がる。

 

マティッチがいないため、後方からのビルドアップに苦戦しているが、一度前線に入れば良い形を作れている。

モウリーニョは独自の面白い戦術を作るのが上手いが、この戦術も、(メンバーは置いておいて)やろうとしていることは新しいし、面白い。

守備時は割と普通の352(3511)だが、(普通の352ということは、守備は良いということ)、攻撃時に3331になるというのは面白いし、機能する。

 

ウディネーゼは、いつもの、組織的な良い守備の352で守り、スピードとフィジカルのある選手達で攻めていこうという戦術。

 

【15~30分】

 

ウディネーゼはカウンターがしたいのだろうが、ローマがさっさと下がってブロックを形成するため、回す(回させられる)形となる。

下がってブロックは作るが、中盤中央はプレスをかけるし、中盤は完璧に締めて、CBとサイドには回させるが、中盤とFWには一切入れさせない、完璧な352の守備。

 

ローマは、流石モウリーニョといったところで、ウディネーゼに対するこの守備に関しては文句のつけようがない。非常に固い素晴らしい守備。

 

ローマが得意のセットプレーからチャンスを作るが、ソッティルがセーブ。

ローマはかなり高さがある上に、ペッレグリーニ(ディバラ)が非常に良いボールを蹴るので、セットプレーが必殺の武器になっている。

 

ペッレグリーニのCKと合わせるFKは、ずば抜けて上手い。

 

【30~45分】

 

ワイナルドゥムとボヴェの左右を入れ替える。最初からなぜ逆なのか疑問だったが、この方が良い。

 

ペッレグリーニのポストプレー、ベロッティがサイドに流れてワイナルドゥムが飛び出してチャンスを迎えるが、決められず。

 

ペッレグリーニもベロッティも献身的で、戦術理解度が高い選手なので、流動的な攻撃が成立している。

 

34分、CKのヘディングをペレイラがハンド。PK。クリスタンテが蹴るが、ポスト。しかしボヴェが押し込む。1-0

 

リードされたウディネーゼが、よりボールを持つ形となるが、ローマの完璧な守備を前に為す術がない。

 

ウディネーゼは2トップの身体能力を活かして、中盤がそこに絡んでいく速攻が得意だが、ベトがいないこともそうだが、ローマにブロックを作られて2トップが封じられているのが厳しい。(ペレイラは元々WBの選手で、最近はインサイドハーフも務める選手で、FWが本職ではない)

 

ペッレグリーニのFKはソッティルが片手いっぱいでセーブ。

 

前半終了1-0

 

ローマが完璧な守備でウディネーゼを完封し、攻撃はマティッチとディバラがいないことによるクオリティ不足は否めないが、やろうとしていることは面白いし、機能もしているといった形。

 

ペッレグリーニが戦術的に機能しているのは大変久しぶり。

(非常に良い選手であることは間違いないのだが、今までの使い方が悪すぎる)

 

周りがとにかく動き回って飛び出し、ペッレグリーニ自身も動き回って起点となるこの戦術は機能する。

 

これにディバラ、マティッチを落とし込んだ攻撃が見てみたいものである。

(落とし込むと言っても、マティッチは単純にクリスタンテと変えるだけで勝手に機能する)

 

ウディネーゼはここまで完璧な守備をされたら、持ち駒を考えたら打つ手はない。

 

【45~60分】

 

ウディネーゼがボールを持つ展開。ローマはカウンターを狙う。

 

ただでさえ352(3411)は非常に守備が固いのにも関わらず、格上のチームかつ、モウリーニョが組織する352なのだから、あまりにも守備が固すぎる。美しい。

ウディネーゼは為す術がない。

 

カウンターにおいても、ベロッティのフリーランが良く、中盤は献身的に動ける選手達が揃っているため、流動的で機能している。

 

54分、カウンターからベロッティが素晴らしいフリーランでサイドでボールを引き出し、ドリブルで持ち上がって、飛び出したペッレグリーニにスルーパスを出し、ペッレグリーニが決める。2-0

完璧なカウンター。

 

これまでの流れからいうと、この戦術は対ウディネーゼ専用なのだろうが、ウディネーゼ相手には完璧な戦術であるし、ほかのチーム相手にもベースは通用する戦術なため、ぜひ続けてほしいものである。

(機能するはずもない3412でなければ、他の戦術でも十分機能するメンバーが揃っているという話は置いておく・・・)

 

カウンター気味の攻撃からベロッティが決定機を迎えるが決められず。

 

【60~75分】

 

ワイナルドゥム→マティッチ

 

マティッチを底にしてクリスタンテを右に。

そうではない(ワイナルドゥムではなくクリスタンテに変えてマティッチ)のだが、2点リードだから別に構わないだろう。

 

66分、FKのこぼれから混戦になり、ペレイラがシュートを打ち、マンチーニがハンド。PK。勿体ない。

しかし、ペレイラのPKはパトリシオがセーブ。

 

エヒジブエ→エボセル

 

エルシャーラウィ→ザレフスキ

チェリク→スピナッツォーラ

ベロッティ→エイブラハム

 

【75~90分】

 

ロヴリッチ→ネストロフスキ

サマルジッチ→パフンディ

サクセス→トヴァン

 

展開変わらず、ウディネーゼがボールを持つが、ローマの固い守備を前に、特に何もできない。

 

ウドジェ→マシーナ

 

ペッレグリーニ→タヒロヴィッチ

 

90分、マティッチのパスから、スピナッツォーラのクロスにエイブラハムが頭。3-0

 

既に何本も素晴らしいパスを出しているが、マティッチがいるとやはり全然違う。

 

試合終了。3-0

 

ローマがウディネーゼに何もさせずに完勝。完璧な試合。

 

モウリーニョ 9.0 素晴らしい、面白い戦術を見せた。ウディネーゼ対策としては100点満点

ベロッティ 8.0 素晴らしい動き出しでスペースメイク、ポストプレーで貢献

ペッレグリーニ 8.0 動き回り、攻撃の起点となる。運動量豊富で足元のテクニックも高いため非常に使いやすい選手なのだが、スピード、ドリブルがあるわけではないので、WGや独力のドリブルが求められる戦術のトップ下は全くもって合うわけもないが(いつもそれで使われている)、周りが追い越していくこの戦術なら機能する

ワイナルドゥム 7.0 流動的な攻撃で貢献

ボヴェ 7.0 献身的なフリーランで流動的な攻撃に貢献し、守備でも貢献

エルシャーラウィ 6.5 良い攻撃参加で貢献

クリスタンテ 5.5 守備は相変わらず良いのだが、攻撃面が・・・

チェリク 6.5 ザレフスキよりも断然守備が良いため、安定

ジョレンテ 6.5 安定していた

スモーリング 7.5 DFリーダーとして素晴らしい出来だった

マンチーニ 6.5 若干不安定ではあったが、完封に貢献

パトリシオ 7.5 PKセーブもあり、それ以外も非常に安定していた

 

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